変数による単語、数字、および値の表現
更新 : 2007 年 11 月
変数は、コンピュータ プログラミングにおける重要な概念です。変数は、値を格納できる文字または名前です。コンピュータ プログラムを作成する場合、変数を使用して、数値 (建物の高さなど) や単語 (人の名前など) を格納できます。簡単に言えば、変数を使用すると、プログラムが必要とするすべての種類の情報を表すことができます。
"情報を使用すれば済む場合に、変数を使用するのはなぜか" と思うかもしれません。名前が示すように、変数は、表す値をプログラムの実行中に変更できます。たとえば、机の上の瓶に入っているキャンディーの数を追跡するプログラムを記述するとします。キャンディーは食べられることになっているため、瓶の中のキャンディーの数は時間と共に変わります。甘いものが欲しくなるたびにプログラムを書き直さなくても、時間と共に変わる変数を使用して、キャンディーの数を表すことができます。
変数への情報の格納
変数を使用するには、次の 3 つの手順を実行します。
**変数を宣言します。**使用する変数の名前と種類をプログラムに通知します。
**変数を割り当てます。**変数が保持する値を指定します。
**変数を使用します。**変数が保持している値を取得し、プログラムで使用します。
変数の宣言
変数を宣言するときは、変数に割り当てる名前とデータ型を決定する必要があります。変数の名前は、文字かアンダースコアで始まっていれば、どのようなものでもかまいません。その変数が何を保持しているかを表す名前にすると、コードが読みやすくなります。たとえば、瓶の中のキャンディーの数を追跡する変数には、totalCandy という名前を付けることができます。
変数を宣言するには、次のように、Dimキーワードと As キーワードを使用します。
Dim aNumber As Integer
このコード行は、aNumber という名前の変数を、整数 (Integer データ型) を格納する変数として使用することをプログラムに通知します。
aNumber は Integer であるため、整数のみを格納できます。たとえば、42.5 を格納する場合は、Double データ型を使用します。単語を格納する場合は、String というデータ型を使用します。ここで説明するもう 1 つのデータ型は Boolean です。これは、True 値、または False 値を格納できます。
変数を宣言する方法の例を次に示します。
Dim aDouble As Double
Dim aName As String
Dim YesOrNo As Boolean
メモ : |
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ローカル型の推論を使用すると、変数の型を宣言せずにローカル変数を作成できます。ローカル型の推論を使用する場合、変数の型は変数に割り当てる値によって決定されます。詳細については、「ローカル型の推論」を参照してください。 |
その他の変数の型の詳細については、「詳細情報 : データ型」を参照してください。
変数の割り当て
変数に値を割り当てるには、次の例に示すように = 記号を使用します。代入演算子と呼ばれることもあります。
aNumber = 42
このコード行は値 42 を取得して、前に宣言した aNumber という名前の変数に格納します。
既定値を使用した変数の宣言と割り当て
既に示したように、あるコード行で変数を宣言してから、別の行で値を割り当てることができます。この場合、値を割り当てる前に変数を使用しようとすると、エラーが発生する可能性があります。
そのため、変数の宣言と割り当ては 1 行で行うことをお勧めします。変数が保持する値の種類がわからない場合でも、既定値を割り当てることができます。前に示したのと同じ変数を宣言して割り当てるコードは、次のようになります。
Dim aDouble As Double = 0
Dim aName As String = "default string"
Dim YesOrNo As Boolean = True
変数の宣言と既定値の割り当てを 1 行で行えば、エラーの発生を予防できます。この場合も、後で代入を使用して変数に別の値を設定できます。
やってみよう
この練習では、4 つの変数を作成して値を割り当て、メッセージ ボックスと呼ばれるウィンドウに各値を表示する短いプログラムを記述します。まず、コードが格納されるプロジェクトを作成しましょう。
プロジェクトを作成するには
Visual Basic をまだ開いていない場合は、Windows の [スタート] メニューから開きます。
[ファイル] メニューの [新規作成] をポイントし、[プロジェクト] をクリックします。
[新しいプロジェクト] ダイアログ ボックスの [テンプレート] ペインで、[Windows アプリケーション] をクリックします。
[プロジェクト名] ボックスに「Variables」と入力し、[OK] をクリックします。
Visual Basic によってプログラムのファイルが作成され、フォーム デザイナが開きます。
次に、変数を作成します。
変数を作成して値を表示するには
フォームをダブルクリックしてコード エディタを開きます。
コード エディタに、Form1_Load というコード セクションが表示されます。このコード セクションはイベント ハンドラであり、プロシージャとも呼ばれます。このプロシージャに記述するコードは、フォームが最初にメモリに読み込まれたときに実行される命令を表します。
Form1_Load プロシージャに次のコードを追加します。
Dim anInteger As Integer = 42 Dim aSingle As Single = 39.345677653 Dim aString As String = "I like candy" Dim aBoolean As Boolean = True
このコードでは 4 つの変数を宣言し、それぞれに既定値を割り当てます。4 つの変数とは、Integer、Single、String、および Boolean です。
ヒント : コードの入力時に、「As」と入力すると、カーソルの下に単語の一覧が表示されます。この機能は IntelliSense と呼ばれます。この機能により、単語の最初の数文字を入力するだけで、その単語を一覧から選択できます。単語を選択した後、Tab キーを押して単語を完成させます。
メモ : プログラムで実際のテキストを表す場合は、常に引用符 ("") で囲む必要があります。これは、テキストを変数名ではなく実際のテキストとして解釈するようにプログラムに通知します。Boolean 変数に値 True または False を割り当てる場合、これらの単語は引用符で囲みません。True と False は、独自の特別な意味を持つ Visual Basic キーワードであるためです。
前の手順で記述したコードの後に、次のように入力します。
MsgBox(anInteger) MsgBox(aSingle) MsgBox(aString) MsgBox(aBoolean)
このコードは、前の手順で割り当てたそれぞれの値を、MsgBox関数を使用して新しいウィンドウに表示するようにプログラムに指示します。
F5 キーを押してプログラムを実行します。
メッセージ ボックスが表示されるたびに [OK] をクリックします。各変数の値が順に表示されます。フォームを閉じるには、フォームの右上隅の [X] をクリックします。プログラムの終了後にコードに戻り、割り当てた値を変更してプログラムをもう一度実行すると、新しい値が表示されます。
次の手順
このレッスンでは、変数の基本について説明しました。次のレッスンでは、String 変数の詳細について説明します。
次のレッスン : 「単語およびテキスト : 文字列変数を使用して単語を編成する」