ビジネス データ カタログ : ロールと展開のライフ サイクル
Microsoft Office SharePoint Server 2007 環境では、メタデータ作成者はメタデータを XML で定義します。コードを記述する必要はありません。また、Web パーツなどのビジネス データ機能を使用して、ビジネス アナリストはコードを記述せずにマスタ/詳細統合アプリケーションを作成することもできます。従来の開発の枠組みから Office SharePoint Server 2007 環境に移行した結果、ビジネス データ ソリューションを作成して展開する 4 種類のロール (ビジネス アナリスト、メタデータ作成者、管理者、および開発者) が提供されます。以降では、これらのロールの特性とスキル、およびビジネス データ カタログやその他のビジネス データ機能を使用して実行する機能について説明します。
ビジネス アナリスト
ビジネス アナリストは、企業のビジネス システムと全体的なビジネス プロセスを理解しています。ビジネス アナリストは、企業内の主要なビジネス システムに精通したユーザーであり、企業全体のビジネス データのニーズの傾向と重大な変化を深く理解しています。ビジネス アナリストは、コードを記述せず、ソフトウェア製品の開発に関する技術的な複雑性を必ずしも理解していませんが、ビジネス システムが提供するどのビジネス オブジェクトが Office SharePoint Server 2007 環境でホストされるビジネス プロセスでの使用に適しているかを理解しています。ビジネス アナリストは、ビジネス オブジェクト (この SDK のエンティティ) のデータ定義を分析し、含まれる要素を理解することができます。最も重要な点は、ビジネス アナリストがビジネス システム内のビジネス オブジェクトの使用について、メタデータ作成者に説明するということです。
ビジネス アナリストは、ビジネス データ カタログ ソリューションの構築で次の主要なタスクを実行します。
適切なシナリオとソリューションの範囲を特定します。
ユーザーが Office SharePoint Server 2007 サイトおよびカスタム アプリケーションからアクセスする必要があるエンティティを特定します。
ソリューションの範囲と詳細をメタデータ作成者に伝えます。また、ビジネス オブジェクトとそれに含まれる要素、データ型、新しいソリューションのユーザー インターフェイスおよび機能のニーズについても説明します。
管理者がビジネス データ カタログにビジネス システムを追加した後に、ポータル ページを作成し、ビジネス データを表示します。ビジネス アナリストは、これを実行するために、コードを記述することはなく、ビジネス データ Web パーツ、ビジネス データ列など、ビジネス データ機能を使用します。
メタデータ作成者
ビジネス アナリストが新しいソリューションの要件を定義したら、メタデータ作成者が必要なメタデータを XML で定義します。メタデータ作成者ロールは、必要に応じて、特定されたエンティティのメタデータの作成、エンティティの詳細タイプの説明の指定など、タスクを実行します。また、メタデータ作成者は、管理者がサーバー上に展開する前にメタデータをテストします。
企業システムのメタデータを定義するメタデータ作成者には、データベース管理者のスキルに類似したスキルが必要です。このロールは、データ モデルや API を含め、ビジネス システムを理解する必要がありますが、高度なプログラミング (または、Microsoft .NET 開発) スキルは必要ありません。メタデータ作成者の重点は、コードではなく、メタデータを記述することにあります。
メタデータ作成者は、ビジネス データ カタログ ソリューションの構築で次の主要なタスクを実行します。
ビジネス データ カタログ : メタデータ モデルを理解します。
AdventureWorks SQL Server 2000 のサンプル を開始点として使用して、企業システムのメタデータを作成します。メタデータ作成者は、ビジネス アナリストが提供する情報を使用して、必要なエンティティ、メソッド、フィルタ記述子、関連付け、およびアクションを追加します。
メタデータをテストし、展開のために管理者に XML を渡します。
管理者
管理者は、メタデータ作成者がメタデータの作成とテストを完了した後、メタデータ XML に対する責任を負います。管理者は、セキュリティの確立、監査、その他の構成設定、メタデータおよびビジネス アプリケーションの展開など、タスクを柔軟に実行します。
管理者は、ビジネス データ カタログ ソリューションの構築と展開で次の主要なタスクを実行します。
SharePoint 3.0 Central Administration を使用して、ビジネス データ カタログにアプリケーション定義を追加することにより、メタデータ XML を展開します。詳細については、「[方法] アプリケーション定義をビジネス データ カタログに追加する」を参照してください。
アクセス許可、監査、および認証設定を設定します。管理者は、必要に応じてシングル サインオン (SSO) を構成します。
注意
この時点で、ビジネス データが、ビジネス データ Web パーツ、ビジネス データ検索、ビジネス データ列など、他のビジネス データ機能で使用できるようになります。
準備が完了したら、カスタム ビジネス データ ソリューションを展開します。
開発者
開発者は、ビジネス データ カタログ オブジェクト モデルおよび Office SharePoint Server 2007 オブジェクト モデルのその他の部分を使用して、Office SharePoint Server 2007 の最上部にカスタム ビジネス アプリケーションを作成します。詳細とコード サンプルについては、「ビジネス データ カタログを使用してカスタム アプリケーションを構築する」を参照してください。
開発ライフ サイクル
次の図は、ビジネス データ カタログに基づくソリューションの開発のライフ サイクル (ソリューションの開発にかかわるロールとプロセスの相互作用) を示します。
ビジネス データ カタログに基づくソリューションの開発ライフ サイクルでのロールとプロセス
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See Also
タスク
AdventureWorks SQL Server 2000 のサンプル