Visual Studio で SharePoint Web サイトのプログラムによるカスタマイズ作業を開始する

  • [アーティクル]

Microsoft Visual Studio 2005 統合開発環境 (IDE: Integrated Development Environment) は、Windows SharePoint Services をベースに Web サイトをカスタマイズするための優れた環境を提供します。たとえば、ブラウザベースのアプリケーション (Visual Studio では "ASP.NET Web サイト" または "ASP.NET Web アプリケーション" と呼ばれます) や Windows SharePoint Services オブジェクト モデルを実装する Web サービスのほか、Windows アプリケーション、コンソール アプリケーション、クラス ライブラリを作成することができます。SharePoint Web サービスを使用するアプリケーションがクライアント コンピュータからリモートで操作されると同時に、展開しているサーバーで Microsoft.SharePoint アセンブリの名前空間を使用するコードを実行します。Web アプリケーションと Web サービスの開発では、次の手順で説明するように、Windows SharePoint Services が実行されている同じサーバーまたは他のコンピュータのどちらで Visual Studio を実行してもかまいません。

注意

オブジェクト モデルまたは Web サービスを通じて Windows SharePoint Services 3.0 をカスタマイズするには、Visual Studio 2005 を使用する必要があります。以前のバージョンはサポートされていません。

タスク用に作成するアプリケーションのタイプを決定した後で、プロジェクトを作成する適切な場所を指定する必要があります。プロジェクトを作成してから、Microsoft.SharePoint.dll への参照を設定します。

プロジェクト、ASP.NET Web サイト、ファイルを作成するには

  1. Visual Studio を開き、[ファイル] メニューの [新規作成] をポイントします。[プロジェクト]、[Web サイト]、[ファイル] が選択可能なドロップダウン リストが表示されます。

  2. 作成するアプリケーションのタイプを選択します。

    • Windows アプリケーション、コンソール アプリケーション、またはクラス ライブラリを作成するには、[プロジェクト] をクリックします。

    • ASP.NET Web アプリケーション (Web サイト) または Web サービスを作成するには、[Web サイト] をクリックします。

    • Web フォーム、ユーザー コントロール、またはマスタ ページなどの個別ファイルを作成するには、[ファイル] をクリックします。

  3. 手順 2. の選択に従って、表示されるダイアログ ボックスの次の手順のうち、いずれかを実行します。

    [新しいプロジェクト] ダイアログ ボックスでプロジェクトを作成するには

    1. [プロジェクトの種類] ボックスで、プロジェクトの言語と種類を選択します。

    2. [テンプレート] ボックスで、適切な Visual Studio テンプレートを選択します。

    3. プロジェクトの名前と場所を指定し、[OK] をクリックします。

    [新しい Web サイト] ダイアログ ボックスで Web サイトを作成するには

    1. [テンプレート] ボックスで、適切なテンプレートを選択します。

    2. [場所] ボックスおよび [言語] ボックスで、[HTTP] および使用する言語を選択します。

    3. Web アプリケーションを作成する場合は、次のどちらかの形式でパスを入力します。

      http://MyServer/_layouts/MyApplicationName
http://MyAdminServer:Port#/MyApplicationName

      最初の形式では、\\Program Files\Common Files\Microsoft Shared\web server extensions\12\TEMPLATE\LAYOUTS に、2 番目の形式では、\\Program Files\Common Files\Microsoft Shared\web server extensions\12\TEMPLATE\ADMIN にアプリケーションが作成されます。グローバル設定を操作する場合は、Administration 名前空間を使用する管理ディレクトリにアプリケーションを作成します。

      Windows SharePoint Services オブジェクト モデルを実装するサーバーにカスタム Web サービスを作成するときは、次の形式のパスを指定します。

      http://IISWebSiteName:Port#/MyApplicationName

      Windows SharePoint Services オブジェクト モデルを使用するカスタム Web サービスの作成の詳細については、「[ウォークスルー] カスタム Web サービスを作成する」を参照してください。

    4. [OK] をクリックして、アプリケーションを作成します。デバッグが有効になっていないことを示すメッセージを受信した場合は、[新しい Web.config を追加してデバッグを有効にする] が選択されていることを確認してから、[OK] をクリックします。

    [新しいファイル] ダイアログ ボックスでファイルを作成するには

    1. [カテゴリ] ボックスで、使用する言語を選択します。

    2. [テンプレート] ボックスで適切なテンプレートを選択し、[OK] をクリックします。

    3. ユーザー コントロールを作成している場合は, .ascx ファイルを Local_Drive:\\Program Files\Common Files\Microsoft Shared\web server extensions\12\TEMPLATE\CONTROLTEMPLATES にコピーします。ASPX ページを作成している場合は, .aspx ファイルを \\Program Files\Common Files\Microsoft Shared\web server extensions\12\TEMPLATE\LAYOUTS か、\\Program Files\Common Files\Microsoft Shared\web server extensions\12\TEMPLATE\ADMIN (グローバル設定を変更するために Administration名前空間を使用している場合) にコピーします。

Web サイトまたはプロジェクトをリモートで作成する

リモート コンピュータにインストールされた Visual Studio でコードを記述している場合は、Windows SharePoint Services を実行しているサーバーのファイル システム内に [プロジェクト] または [Web サイト] を作成します。前述のダイアログ ボックスと同じボックスを開きます。ただし、\\Computer_Name\Drive$\.... という形式でパスを指定します。たとえば、Web アプリケーションを作成している場合は、[場所] ボックスで [ファイル システム] を指定し、\\Computer_Name\Drive$\Program Files\Common Files\Microsoft Shared\web server extensions\12\TEMPLATE\LAYOUTS\MyApplication のようなパスを使用して、/_layouts 仮想ディレクトリ内にアプリケーションを作成します。

Microsoft.SharePoint アセンブリへの参照を設定する

プロジェクトを作成した後で Microsoft.SharePoint アセンブリへの参照を追加します。その名前空間をインポートして、オブジェクト ブラウザおよびコード エディタで IntelliSense 機能を実装します。

Microsoft.SharePoint アセンブリへの参照を追加するには

  1. [ソリューション エクスプローラ] でプロジェクトを右クリックした後、ショートカット メニューの [参照の追加] をクリックします。

  2. [参照の追加] ダイアログ ボックスの [.NET] タブで、コンポーネントの一覧の [Windows SharePoint Services] をクリックし、[OK] をクリックします。

    Microsoft.SharePoint アセンブリを使用するコードを実行またはデバッグするには、Windows SharePoint Services を実行しているサーバーでコードを実行する必要があります。リモート コンピュータで Visual Studio 2005 を使用している場合は、オブジェクト モデルを使用するコードを実行またはデバッグすることはできません。ただしアセンブリへのリモート参照を設定してコードを記述し、コード エディタに表示される Microsoft.SharePoint アセンブリを確認することはできます。この方法でリモート参照を追加するには、以下のとおり実行します。

    • [参照の追加] ダイアログ ボックスの [参照] タブをクリックして、Windows SharePoint Services が動作しているサーバーの \\Program Files\Common Files\Microsoft Shared\Web Server Extensions\12\ISAPI フォルダ内にある Microsoft.SharePoint.dll に移動します。その代わりに、Microsoft.SharePoint.dll をこのフォルダからリモート コンピュータのローカル ドライブにコピーしてから、この DLL のローカル コピーを開くこともできます。[開く] をクリックします。

IntelliSense

Visual Studio 2005 の IDE では、参照がアセンブリに設定された後で、その Microsoft.SharePoint アセンブリの名前空間に IntelliSense 機能が提供されます。IntelliSense に使用される情報を Windows SharePoint Services に提供するファイルは Microsoft.SharePoint.xml です。このファイルは、各フロントエンド Web サーバーが展開されている環境ではローカル ドライブ:\\Program Files\Common Files\Microsoft Shared\Web Server Extensions\12\ISAP というパスにインストールされます。このファイルを更新するには、Windows SharePoint Services Developer Center を参照してください。

See Also

参照

カスタム アプリケーションの作成場所を決定する

概念

サイト、Web アプリケーション、およびその他の主要オブジェクトへの参照を取得する

Windows SharePoint Services に関するトピック集

Working with List Objects and Collections (英語)

その他のリソース

サンプル オブジェクト モデルのタスク