配列 : 複数の値を表す変数

更新 : 2007 年 11 月

このレッスンでは、配列を使用して値のグループを格納する方法について説明します。

これまでのレッスンで説明したように、変数は、プログラムで使用するさまざまな型のデータを格納するために使用されます。配列と呼ばれる別の種類の変数は、同じ型の複数の値を格納するのに便利です。

たとえば、野球チームのためのプログラムを記述していて、守備についた全選手の名前を格納する必要があるとします。選手 1 人につき 1 つの文字列変数を作成して、9 個の別々の変数を使用することもできますが、次のコードのような配列変数を宣言することもできます。

Dim players() As String

配列変数を宣言するには、変数名の後にかっこを付けます。格納する必要のある値の数がわかっている場合は、次のように、宣言で配列のサイズを指定することもできます。

Dim players(8) As String

野球チームは 9 人の選手がプレーするので、配列のサイズは 9 です。配列はいくつかの値 (要素) から成り、要素 0 から始まって、宣言で指定された数より 1 つ小さい値で終わります。つまり、配列には要素 0 から 8 が含まれ、合計で 9 つの要素になります。チームの選手の 1 人を参照するときは、1 を引きます。たとえば、最初の選手を参照するには要素 0 を参照し、9 番目の選手を参照するには要素 8 を参照します。

配列への値の割り当て

他の値の型と同様に、配列には値を割り当てる必要があります。そのためには、次に示すように割り当ての一部として要素番号を参照します。

players(0) = "John"
players(3) = "Bart"

このコードでは、値 John が配列の最初の要素 (要素 0) に割り当てられ、値 Bart が 4 番目の要素 (要素 3) に割り当てられます。配列の要素は、順に割り当てる必要はありません。割り当てられていない要素には、既定値 (この場合は空の文字列) が割り当てられます。

他の値の型と同様に、配列も、次のように 1 行で値の宣言と割り当てを行うことができます。

Dim players() As Integer = {1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9}

この場合、中かっこは値のリストを示します。値は、表示されている順序で要素に割り当てられます。配列のサイズが指定されていないことに注意してください。配列のサイズは、指定した項目の数によって決定されます。

配列からの値の取得

番号を使用して配列内の項目の位置を指定するのと同様に、取得する値を指定する場合も要素番号を使用します。

Dim AtBat As String
AtBat = players(3)

上記のコードは、配列の 4 番目の要素を取得して、文字列変数 AtBat に割り当てます。

やってみよう

値を配列に格納するには

  1. [ファイル] メニューの [新規作成] をポイントし、[プロジェクト] をクリックします。

  2. [新しいプロジェクト] ダイアログ ボックスの [テンプレート] ペインで、[Windows アプリケーション] をクリックします。

  3. [プロジェクト名] ボックスに「MyFirstArray」と入力し、[OK] をクリックします。

    新しい Windows フォーム プロジェクトが開きます。

  4. ツールボックスから、フォームに Textbox コントロールをドラッグします。

  5. ツールボックスから、フォームに Button コントロールをドラッグします。

  6. Button をダブルクリックしてコード エディタを開きます。

  7. Button1_Click イベント プロシージャに次のコードを追加します。

    Dim players() As String = {"Dan", "Fred", "Bart", "Carlos", _
      "Ty", "Juan", "Jay", "Sam", "Pedro"}
    Dim i As Integer = CInt(Textbox1.Text)
    MsgBox(players(i) & " is on first base.")
    

    このコードでは、CInt 関数を使用して、String 値 (TextBox1.Text) を Integer (i) に変換しています。変換の詳細については、「詳細情報 : ある変数の型を別の型に変換する」で説明します。

  8. F5 キーを押してプログラムを実行します。

  9. テキスト ボックスに 0 から 8 までの数値を入力して、ボタンをクリックします。その要素に対応する名前がメッセージ ボックスに表示されます。

    ms172582.alert_note(ja-jp,VS.90).gifヒント :

    追加のコードを記述して、入力されたデータが有効かどうかをチェックする必要があります。たとえば、入力された値が 0 から 8 までの数値であるかどうかをチェックします。詳細については、「問題が発生した場合の対処 : エラー処理」を参照してください。

次の手順

このレッスンでは、配列を使用して、類似した値のグループの格納および取得を行う方法を説明しました。

次のレッスンでは、算術演算子を使用して式を作成する方法について説明します。

次のレッスン : 「演算 : 変数および演算子を使用した式の作成

参照

処理手順

演算 : 変数および演算子を使用した式の作成

単語およびテキスト : 文字列変数を使用して単語を編成する

概念

Visual Basic の配列の概要