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FTP 配置 Web サイト

更新 : 2007 年 11 月

Visual Web Developer では、ファイル転送プロトコル (FTP: File Transfer Protocol) を使用してアクセスする Web サイトを操作できます。この機能により、商用ホスト サービス用サーバーなど、別のサーバー上でホストされるサイトを簡単に操作できます。

FTP とは

FTP は、インターネットを介してファイルをコンピュータ間でコピーするための標準プロトコルです。たとえば、多くの Web ホスト サイトでは、FTP を使用してサーバーにファイルをコピーできます。

FTP サーバーは、インターネット プロトコルを使用して通信する点では HTTP サーバー (つまり Web サーバー) と似ています。ただし、FTP サーバーは Web ページを実行しないで、サーバー間でのファイルのコピーをサポートするだけです。

FTP ロケーションと参照場所

通常、サーバー コンピュータでは、ファイルの転送をサポートする FTP サーバーとファイルへの HTTP アクセスをサポートする Web サーバーの両方を実行します。これらは同じコンピュータ上で実行していても、別々のサーバーです。両方のサーバーが、ファイルが置かれているディレクトリに割り当てられます。

FTP サーバーと Web サーバーは同じ物理的な場所 (ディレクトリ) の同じファイルを使用しますが、ファイルにアクセスするための URL は、通常、プロトコルごとに異なります。たとえば、ファイルを FTP サーバー上の特定のディレクトリに転送するための URL は次のようになります。

ftp://upload.contoso.com/fred/root/

一方、このファイルを実行するには、参照場所、つまり、同じ場所を指す Web サーバーの URL が必要です。参照場所は次のようになります。

http://contoso/fred/

両方の URL とも、サーバー上の同じ物理ディレクトリを指しています。

Visual Web Developer における FTP Web サイト

Visual Web Developer では、FTP Web サイトは、FTP を使用してアクセスするリモート コンピュータ上に存在する Web サイトのことです。FTP アクセスを行うには、そのサイトの URL を知っている必要があります。これは、通常、ftp://servername/foldername など完全な URL として提供されます。ほとんどの場合、FTP サーバーにログオンして、ファイルを読み込むまたは書き込むためには、有効なユーザー名とパスワードを指定する必要があります。

サイトの FTP アドレスを取得したら、Visual Web Developer 上でサイトを開くことができます。それから、ローカル ファイルのように、そのサイト内のファイルを編集したり作成したりできます。ファイルを保存すると、これらは FTP 経由でサーバーに転送されます。

アクティブ モードとパッシブ モード

Visual Web Developer では、FTP サーバーとの接続をアクティブ モードとパッシブ モードの 2 つのモードで確立できます。FTP では、クライアント (この場合は Visual Web Developer) とサーバーは 2 つのポートを使用して通信します。1 つのポートはコマンド転送用に使用され、もう 1 つのポートはデータ転送用に使用されます。

アクティブ FTP は、サーバー管理者にとって有益なモードです。アクティブ モードでは、クライアントがサーバーへのコマンド ポートの接続を初期化し、データのポート アドレスをサーバーに渡します。次に、サーバーがクライアントへの接続を初期化して、データ ポートを開きます。

パッシブ FTP はファイアウォールが設定されたクライアントに有益なモードです。クライアントにファイアウォールが設定されている場合、サーバー側からクライアント コンピュータ上のポートを開こうとすると、通常、失敗します。パッシブ モードでは、クライアントが、コマンド ポートとデータ ポートの両方の接続を初期化します。クライアントが両方のポートの接続を初期化するので、ファイアウォールは接続を許可します。

詳細については、「Information About the IIS File Transmission Protocol (FTP) Service」を参照してください。

ログオン資格情報

FTP サーバーと接続するためにサーバーに認証用の資格情報を渡す必要がある場合があります。Visual Web Developer では、FTP サーバーと接続するときに、ユーザー名とパスワードを指定できます。資格情報を指定すると、Visual Web Developer サーバーの存続期間中、コンピュータ上のメモリにキャッシュされます。セキュリティ上、これらの情報はディスク上に格納されません。

bfx5as36.alert_note(ja-jp,VS.90).gifメモ :

FTP Web サイトのログオン情報を指定する際に必要な資格情報を入力しないと、接続時に要求されます。[FTP サイト] タブ ([場所の選択] または [Web サイトを開く] ダイアログ ボックス)に匿名ログインを明示的に指定しない限り、FTP サーバーに匿名で接続できません。

資格情報は、要求されるたびに FTP サーバーに渡されます。Visual Web Developer を閉じると、資格情報は破棄されます。次回 FTP サーバーに接続する際、また資格情報を指定する必要があります。

通常、FTP 資格情報はクリア テキストで渡され、暗号化されません。FTP は匿名認証または基本認証で使用することをお勧めします。詳細については、IIS Technical Reference のトピック「Authentication Methods Supported in IIS 6.0」を参照してください。

FTP Web サイトの作成

Visual Web Developer では、ファイル システム サイトやローカル IIS サイトと同じように、FTP Web サイトを作成できます。ただし、リモート サーバー上にサイトを作成するため、新しいフォルダを作成するためのアクセス許可が必要です。ホストされたサイトにアカウントがある場合、サイトのルート レベルに新しいサイトを作成することはできません。ただし、通常、ルート サイトの子サイトであるサイトは作成できます。新しい FTP サイトを作成するために必要なアクセス許可を持っているかどうかについては、そのサーバーの管理者に問い合わせてください。

Visual Web Developer 上での FTP Web サイトの実行

FTP は転送プロトコルであるため、FTP Web サイトは直接実行しません。通常、サーバー コンピュータでは、ファイルの転送をサポートする FTP サーバーと、ファイルへの HTTP アクセスをサポートする Web サーバーの両方が実行されています。

ブラウザで FTP Web サイト内の Web ページを参照するためには、サーバー コンピュータが参照場所、つまり、FTP サイトと同じファイルを指す HTTP URL を持っている必要があります。FTP サーバーと Web サーバーは同じ物理的な場所 (ディレクトリ) の同じファイルを使用しますが、ファイルにアクセスするための URL は、通常、プロトコルごとに異なります。

サイトの正しい HTTP URL については、サイトの管理者に確認してください。初めて FTP Web サイトを実行する際、サイトの HTTP URL を指定する必要があります。この情報は Web サイトの一部としてスタートアップ オプション内に格納されます。詳細については、「[スタートアップ] ([オプション] ダイアログ ボックス - [環境])」を参照してください。

FTP Web サイトのデバッグ

リモート サーバーで実行する他の種類の Web サイトと同じように、FTP Web サイトでデバッガを使用できます。FTP Web サイトでのデバッガの実行 (ブレークポイントの設定、デバッガの起動など) は、他の Web サイトの場合と同じです。ただし、デバッグ対象のファイルがリモート サイトにあることから、デバッガをリモート サイトに接続できる構成が必要です。詳細については、「Web ページのデバッグの概要」の「リモート コンピュータの設定」を参照してください。

多くの商用ホスト サイトでは、リモート デバッグをサポートしていません。サイトをリモートでデバッグできるかどうかについては、サイトの管理者に確認してください。

bfx5as36.alert_note(ja-jp,VS.90).gifメモ :

リモート デバッグは Visual Web Developer 2005 Express Edition では実行できません。

ファイルのキャッシュ

FTP Web サイトを操作する際、Visual Web Developer はローカルでファイルをキャッシュします。ファイルと依存リソースに最初にアクセスすると、リモート サーバーから読み込まれ、ローカルに格納されます。ファイルを保存すると、ファイルはローカルに保存され、FTP サーバーに書き込まれます。Web サイトを閉じると、キャッシュは削除されます。ほとんどの場合、ファイルのキャッシュはユーザーに対しても Visual Web Developer に対しても透過的に行われます。

2 人の開発者が同時に同じファイルを編集する場合、1 人の開発者の変更が上書きされる可能性があります。FTP 配置 Web サイトは、ソース管理システムに統合できません。

参照

処理手順

チュートリアル : Visual Web Developer での FTP による Web サイトの編集