チュートリアル : Visual Web Developer での FTP による Web サイトの編集
更新 : 2007 年 11 月
Microsoft Visual Web Developer の Web 開発ツールを使用すると、ファイル転送プロトコル (FTP: File Transfer Protocol) を使用してリモート サーバーに対する読み書きができます。FTP Web サイトは、ホスト サイトにある Web ページの更新によく使用されます。その方が、HTTP 接続を利用してファイルを更新するより速いからです。Visual Web Developer で FTP サイトに接続したら、そのサイトでファイルを作成したり、編集したりできます。FTP については、「FTP 配置 Web サイト」を参照してください。
このチュートリアルでは、以下のタスクを行います。
Visual Web Developer で FTP を使用して既存の Web サイトに接続します。
FTP を使用してページの作成と編集を行います。
前提条件
このチュートリアルを実行するための要件は次のとおりです。
.NET Framework をサポートする FTP サーバー上のフォルダへのアクセス。
既存の FTP サイトにアクセスできる場合は、それを使用できます。たとえば、ASP.NET をサポートするホスト サービス プロバイダのアカウントを開設している場合は、このチュートリアルでそのアカウントを使用できます。利用できる既存の FTP サイトがない場合は、Microsoft Internet Information Services (IIS) を実行して、使用しているコンピュータを FTP サーバーとして構成できます。IIS を使用して FTP サーバーを構成する方法の詳細については、「方法 : IIS 6.0 で FTP サイトを作成および構成する」を参照してください。
サーバーの FTP ディレクトリに対する読み取りアクセス許可と書き込みアクセス許可。
オプションで、FTP の場所を指す仮想 Web ルート。対象ファイルのテストに使用します。
このチュートリアルの目的からは、IIS のローカル コピーを FTP サーバーとして使用できます。通常は、IIS のローカル コピーとの通信に FTP を使用する必要はありません。
FTP Web サイトへのアクセス
まず、Visual Web Developer から FTP Web サイトに接続します。そのためには、FTP Web サイトの FTP アドレスが必要となります。また、ログインのためのユーザー名とパスワードが必要となる場合もあります。
FTP Web サイトにアクセスするには
Visual Web Developer で [ファイル] メニューの [新しい Web サイト] をクリックします。
[新しい Web サイト] ダイアログ ボックスで、左端の [場所] ボックスの一覧の [FTP サイト] をクリックし、次に [参照] をクリックします。
[場所の選択] ダイアログ ボックスで、[サーバー] ボックスと [ディレクトリ] ボックスに、必要な情報を入力します。
[サーバー] フィールドには、FTP サーバーの名前か IP アドレスを入力します。[ディレクトリ] フィールドには、FTP サーバー上のコンテンツを格納するためのディレクトリ名を入力します。多くの FTP サイトでは、既定でホーム ディレクトリに接続されますが、Web コンテンツを格納するためのディレクトリがホーム ディレクトリの下にあったり、別の仮想ディレクトリである場合があります。目的のディレクトリがわからない場合は、FTP サイトの管理者に相談してください。
ポート番号は、通常は 21 ですが、これについても FTP サイトの管理者に確認してください。
次の値を確認します。
[受動モード]
最初は、このチェック ボックスはオフにします。使用しているサーバーと FTP サーバーの間にファイアウォールが設定されている場合に、パッシブ モードを指定しなければならないことがあります。
[匿名ログイン]
FTP サイト管理者からユーザー名とパスワードを提供された場合は、[匿名ログイン] チェック ボックスをオフにし、[ユーザー名] ボックスと [パスワード] ボックスに、提供された情報を入力します。
[開く] をクリックします。
Visual Web Developer が、入力した情報を基に FTP サーバーへの接続を試みます。接続が確立されると、ソリューション エクスプローラに FTP Web サイト名が表示され、FTP Web サイトにあるファイル名の一覧が表示されます。
トラブルシューティング
接続に失敗した場合は、次の点を確認します。
サーバーの管理権限を与えられている場合は、IIS Manager を使用して FTP 仮想ディレクトリへの書き込みアクセス許可を追加します。この操作を行う前に、IIS Manager または Microsoft Windows エクスプローラを使用して、必ず仮想ディレクトリに対する制限付き NTFS ファイル システム アクセス許可を設定してください。詳細については、「Microsoft Web サイト」にアクセスし、FTP サイトのセキュリティ保護に関する説明を検索してください。
サーバー名とディレクトリ名が正しいことを確認します。
[サーバー] フィールドに Web サイトまたは FTP サイトの URL を入力し、[ディレクトリ] フィールドは空白のままとします。
[受動モード] をオンにして接続を試みます。多くの場合、これでファイアウォールを通過できます。
FTP Web サイトに、指定したディレクトリがあることを確認します。IIS を FTP サーバーとして使用している場合は、通常は、このディレクトリは wwwroot ディレクトリではなく ftproot ディレクトリに定義されています。
匿名によるログオンが許可されるかどうかについては、FTP サイト管理者に相談してください。許可されていない場合は、FTP ディレクトリにアクセスして変更するアクセス許可を持つユーザー アカウントの資格情報が自分自身に与えられていることを確認します。
ページの作成と編集
FTP Web サイトにある Web ページの操作方法は、他の Web サイトにある Web ページの操作方法と同じです。唯一の違いは、ファイルが FTP サーバーに格納されていることで、そのため、ファイルを開いたり保存したりするときに FTP 接続を呼び出すことになります。
ページを作成するには
ソリューション エクスプローラで FTP Web サイトの名前を右クリックし、[新しい項目の追加] をクリックして、新しい Web フォーム ページを作成します。
.gif "メモ")
メモ :FTP Web サイトで表現されている物理的なフォルダにアクセスできる場合は、ファイルがそのフォルダに作成されたことを確認できます。
デザイン ビューに切り替えます。
ツールボックスの [標準] グループから、Button コントロールおよび Label コントロールをページにドラッグします。
Button コントロールをダブルクリックします。
このファイルには、Button コントロールのスケルトン Click ハンドラが含まれています。
次の強調表示されたコードを追加して、Click ハンドラを完成します。
Protected Sub Button1_Click(ByVal sender As Object, ByVal e As System.EventArgs) Label1.Text = "The FTP Web site is working!" End Subprotected void Button1_Click(object sender, System.EventArgs e) { Label1.Text = "The FTP Web site is working!"; }ファイルを保存します。
FTP Web サイトのテスト
FTP Web サイトが、同じ内容の Web サイトを持つように設定されている場合は、ブラウザでその Web サイトを表示して、テストできます。
FTP Web サイトをサーバー上でテストするには
Ctrl + F5 キーを押します。
Visual Web Developer で目的の場所を入力するように求められます。この場所は、Web サイト構成情報の一部として格納されます。
このチュートリアルの「FTP Web サイトへのアクセス」で作成したサーバーおよび Web 仮想ディレクトリを示す HTTP URL を入力します。
たとえば、URL は次のようになります。
http://<server>/ExampleFtpFiles
メモ :ブラウザの場所は、いつでも変更したり、設定したりできます。そのためには、ソリューション エクスプローラで Web サイト名を右クリックし、[プロパティ ページ] をクリックします。[開始オプション] タブの [サーバー] の下にある [カスタム サーバーを使用する] をクリックし、次に [基本 URL] ボックスに場所を入力します。
ブラウザにページが表示されます。
ブラウザを閉じます。