Share via


Integration Services サービスの構成

更新 : 2007 年 9 月 15 日

Microsoft SQL Server 2005 Integration Services (SSIS) には、Integration Services サービスを構成するための構成ファイルが含まれています。既定では、構成ファイルは %ProgramFiles%\Microsoft SQL Server\90\DTS\Binn フォルダにある MsDtsSrvr.ini.xml というファイルです。

既定の構成ファイルには、次の設定が含まれています。

  • サービスが停止すると、パッケージに中止コマンドが送信されます。
  • SQL Server Management Studio のオブジェクト エクスプローラ内の Integration Services に表示するルート フォルダは、[MSDB] および [ファイル システム] フォルダです。
  • Integration Services サービスが管理するファイル システム内のパッケージは、%ProgramFiles%\Microsoft SQL Server\90\DTS\Packages にあります。

既定では、Integration Services サービスが、データベース エンジンの既定のローカル インスタンスの msdb データベースに格納されたパッケージを管理するように構成されています。データベース エンジンの名前付きインスタンスまたはリモート インスタンスに格納されたパッケージや、データベース エンジンの複数のインスタンスに格納されたパッケージを管理するには、構成ファイルに変更を加える必要があります。たとえば、SqlServerFolder タイプのルート フォルダを別途作成すると、データベース エンジンの複数のインスタンスについて、msdb データベース内のパッケージを管理できます。

また、構成ファイルを変更して、サービスが停止した場合にパッケージを継続して実行できるようにしたり、オブジェクト エクスプローラ内に別のルート フォルダを表示したり、Integration Services サービスで管理するファイル システム内に別のフォルダまたは追加のフォルダを指定することもできます。

レジストリ キー HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\MSDTS\ServiceConfigFile には、Integration Services サービスが使用する構成ファイルの場所と名前を指定します。レジストリ キーの既定値は、C:\Program Files\Microsoft SQL Server\90\DTS\Binn\ MsDtsSrvr.ini.xml です。レジストリ キーの値を更新すると、構成ファイルに別の名前と場所を使用することができます。

ms137789.Caution(ja-jp,SQL.90).gif注意 :
レジストリを間違って編集すると重大な問題が発生し、オペレーティング システムの再インストールが必要になる場合があります。さらに、レジストリの間違った編集が原因で問題が発生した場合、その問題を解決できないこともあります。レジストリを編集する前に、重要なデータをすべてバックアップしてください。レジストリのバックアップ、復元、および編集の方法については、Microsoft サポート技術情報の記事「Microsoft Windows レジストリの説明」を参照してください。

Integration Services サービスは、サービスの開始時に構成ファイルを読み込みます。レジストリ エントリを変更した場合、サービスを再起動する必要があります。

構成ファイルは、テキスト エディタを使用して更新できます。サービス構成ファイルを変更したら、更新されたサービス構成を使用するためにサービスを再起動する必要があります。

ms137789.note(ja-jp,SQL.90).gifメモ :
一部の文字は、フォルダ名には無効です。フォルダ名として有効な文字は、.NET Framework クラスの System.IO.Path および GetInvalidFilenameChars フィールドによって決まります。GetInvalidFilenameChars フィールドでは、Path クラスのメンバに渡されるパス文字列引数に指定できない、プラットフォーム固有の文字配列が指定されます。無効な文字のセットは、ファイル システムによって異なる場合があります。通常、無効な文字は、引用符 (")、小なり (<) 文字、およびパイプ (|) 文字です。

SQL Server の名前付きインスタンスに接続する場合、構成ファイルを更新して名前付きインスタンスを指定する必要があります。構成ファイルを更新しなかった場合、名前付きインスタンスの msdb データベースに格納されたパッケージを、SQL Server Management Studio のオブジェクト エクスプローラを使って表示することはできません。オブジェクト エクスプローラを使ってこれらのパッケージを表示しようとすると、次のようなエラー メッセージが表示されます。

この要求のデータを取得できませんでした。(Microsoft.SqlServer.SmoEnum)

Integration Services サービスの構成で指定されている SQL Server が存在しないか使用できません。コンピュータ上に SQL Server の既定のインスタンスが存在しない可能性があります。詳細については、SQL Server 2005 Books Online の「Integration Services サービスの構成」を参照してください。

ログインでタイムアウトが発生しました

サーバーへの接続を確立中にエラーが発生しました。SQL Server 2005 に接続している場合、既定の設定では SQL Server によるリモート接続が許可されていないために、このエラーが発生した可能性があります。

名前付きパイプ プロバイダ : SQL Server [2] への接続を開けませんでした。(MsDtsSvr)。

既定の構成ファイル

Integration Services の既定の構成ファイルの例を次に示します。この構成ファイルは、Integration Services サービスが停止した場合にパッケージが実行を停止すること、Integration Services 内のルート フォルダが [MSDB] と [ファイル システム] フォルダであること、および [パッケージ] フォルダ内のパッケージをサービスによって監視することを指定しています。

このファイルは、SQL Server の既定のインスタンス用ファイルです。

既定の構成ファイルの例

<?xml version="1.0" encoding="utf-8"?>
<DtsServiceConfiguration xmlns:xsd="http://www.w3.org/2001/XMLSchema" xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance">
  <StopExecutingPackagesOnShutdown>true</StopExecutingPackagesOnShutdown>
  <TopLevelFolders>
    <Folder xsi:type="SqlServerFolder">
      <Name>MSDB</Name>
      <ServerName>.</ServerName>
    </Folder>
    <Folder xsi:type="FileSystemFolder">
      <Name>File System</Name>
      <StorePath>..\Packages</StorePath>
    </Folder>
  </TopLevelFolders>  
</DtsServiceConfiguration>

SQL Server の名前付きインスタンス用の変更された構成ファイル

Integration Services の変更された構成ファイルの例を次に示します。このファイルは、ServerName という名前のサーバー上で、InstanceName と呼ばれる SQL Server の名前付きインスタンス用のファイルです。

SQL Server の名前付きインスタンス用の変更された構成ファイルの例

<?xml version="1.0" encoding="utf-8"?>
<DtsServiceConfiguration xmlns:xsd="http://www.w3.org/2001/XMLSchema" xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance">
  <StopExecutingPackagesOnShutdown>true</StopExecutingPackagesOnShutdown>
  <TopLevelFolders>
    <Folder xsi:type="SqlServerFolder">
      <Name>MSDB</Name>
      <ServerName>ServerName\InstanceName</ServerName>
    </Folder>
    <Folder xsi:type="FileSystemFolder">
      <Name>File System</Name>
      <StorePath>..\Packages</StorePath>
    </Folder>
  </TopLevelFolders>  
</DtsServiceConfiguration>
<?xml version="1.0" encoding="utf-8"?>
<DtsServiceConfiguration xmlns:xsd="http://www.w3.org/2001/XMLSchema" xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance">

参照

概念

Integration Services サービス

ヘルプおよび情報

SQL Server 2005 の参考資料の入手

変更履歴

リリース 履歴

2007 年 9 月 15 日

新しい内容 :
  • リモート インスタンスまたは複数インスタンスの msdb データベースを管理するには、既定の構成ファイルを変更する必要があることを記載しました。
  • 構成ファイルを適切に更新せずに、SQL Server の名前付きインスタンス上の msdb データベースに格納されたパッケージを表示しようとした場合に発生するエラー メッセージを記載しました。

2007 年 9 月 15 日

新しい内容 :
  • リモート インスタンスまたは複数インスタンスの msdb データベースを管理するには、既定の構成ファイルを変更する必要があることを記載しました。

2006 年 12 月 12 日

新しい内容 :
  • 構成ファイルで SQL Server の名前付きインスタンスを指定しない場合に表示されるエラー メッセージに関する情報を追加しました。
変更内容 :
  • GetInvalidFilenameChars フィールドの名前を訂正し、フォルダ名で使用できない文字がファイル システムによって異なる可能性があることを説明しました。

2006 年 4 月 14 日

新しい内容 :
  • レジストリ キーを使用して Integration Services サービスが使用する構成ファイルの名前と場所を更新する方法を追加しました。