セキュリティの機能強化 (データベース エンジン)

データベース エンジンのセキュリティ強化点としては、新しい暗号化関数、透過的なデータ暗号化、監査、および拡張キー管理機能の追加、DES アルゴリズムの明瞭化などがあります。

暗号化関数

オブジェクトを暗号化するときは、is_objectsignedasymkeypropertysymkeypropertyCRYPT_GEN_RANDOMKEY_NAME、および sys.fn_check_object_signatures という新しい関数が役立ちます。

透過的なデータ暗号化

透過的なデータ暗号化 (TDE) では、アプリケーションを変更することなくデータベース ファイルを自動的に暗号化する新しいデータベース オプションが導入されています。これにより、認証されていないユーザーがデータベース ファイルまたはデータベース バックアップ ファイルを取得した場合でも、このようなユーザーはデータベースにアクセスできなくなります。データベースの暗号化の詳細については、「透過的なデータ暗号化 (TDE) について」を参照してください。

拡張キー管理

拡張キー管理 (EKM) 機能により、サード パーティの企業キー管理およびハードウェア セキュリティ モジュール (HSM) ベンダは、独自のデバイスを SQL Server に登録できるようになります。登録後、SQL Server ユーザーはこれらのモジュールに格納されている暗号化キーを使用できるだけでなく、これらのモジュールがサポートしている一括暗号化/暗号化解除などの高度な暗号化機能や、キー エージング、キー ローテーションなどの数多くのキー管理機能を利用できるようになります。この機能により、データベース管理者 (sysadmin グループのメンバを除く) からのデータの保護も実現されます。データは Transact-SQL 暗号ステートメントを使用して暗号化および暗号化解除できます。SQL Server では外部の EKM デバイスをキー ストアとして使用します。拡張キー管理の詳細については、「拡張キー管理 (EKM) について」を参照してください。

DES アルゴリズムに関する明瞭化

DES アルゴリズム名が明瞭化され、TRIPLE_DES_3KEY を使用できるようになりました。詳細については、「CREATE SYMMETRIC KEY (Transact-SQL)」を参照してください。

RC4 アルゴリズムの非推奨

RC4 アルゴリズムは推奨されません。この機能は、Microsoft SQL Server の将来のバージョンで削除されます。 新規の開発作業ではこの機能を使用しないようにし、現在この機能を使用しているアプリケーションはできるだけ早く修正してください。AES など、別のアルゴリズムを使用してください。詳細については、「CREATE SYMMETRIC KEY (Transact-SQL)」を参照してください。

監査

SQL Server Audit は、カスタマイズされたデータベース エンジン イベント監査を作成するための SQL Server 2008 の新機能です。SQL Server Audit では拡張イベントを使用して監査の情報が記録され、さまざまなサーバーやデータベース オブジェクトで監査の有効化、保存、および表示を行うために必要なツールやプロセスが提供されます。詳細については、「監査 (データベース エンジン)」を参照してください。