.NET Framework Version 1.1 からの移行
更新 : 2010 年 9 月
Windows 7 は、.NET Framework Version 1.1 をサポートしていません。 このため、.NET Framework 1.1 を対象とするアプリケーションは、変更を行わないと Windows 7 で実行できません。 このトピックでは、.NET Framework 1.1 を対象とするアプリケーションを Windows 7 で実行するために必要な手順について説明します。
再ターゲットまたは再コンパイル
.NET Framework 1.1 を使用してコンパイルしたアプリケーションを Windows 7 で実行するには、次の 2 つの方法があります。
アプリケーションを .NET Framework Version 4 に再ターゲットして実行することができます。 再ターゲットするには、<supportedRuntime> 要素をアプリケーションの構成ファイルに追加して .NET Framework 4 で実行できるようにする必要があります。 そのための構成ファイルの形式は次のとおりです。
<configuration> <startup> <supportedRuntime version="v4.0"/> </startup> </configuration>
.NET Framework 4 をターゲットとするコンパイラでアプリケーションを再コンパイルできます。 最初に Visual Studio 2003 を使用してソリューションを開発およびコンパイルした場合は、ソリューションを Visual Studio 2010 で開きます。これにより、Visual Studio 変換ウィザードによってソリューションおよびプロジェクト ファイルが Visual Studio 2003 で使用される形式から Visual Studio 2010 で使用される Microsoft Build Engine (MSBuild) 形式に変換されます。
再コンパイルまたは再ターゲットのいずれを選択するかに関係なく、アプリケーションが .NET Framework の新しいバージョンで導入された変更の影響を受けるかどうかを確認する必要があります。 変更には次の 2 種類があります。
.NET Framework 1.1 より新しいバージョンで加えられた、互換性に影響する変更。
.NET Framework 1.1 より新しいバージョンで非推奨または旧式とマークされた型と型のメンバー。
アプリケーションを再ターゲットするか、再コンパイルするかに関係なく、.NET Framework 1.1 より後にリリースされた .NET Framework の各バージョンについては、互換性に影響する変更と旧式の型および型のメンバーを確認する必要があります。
互換性に影響する変更点
互換性に影響する変更が行われた場合は、変更内容に応じて、アプリケーションの再ターゲットおよび再コンパイル時の回避策が提示される場合があります。 場合によっては、アプリケーションの構成ファイルの <runtime> 要素に子要素を追加することで、以前の動作を復元できます。 たとえば、次の構成ファイルは .NET Framework 1.1 での文字列の並べ替えおよび比較の動作を復元し、アプリケーションの再ターゲットまたは再コンパイルのいずれにも使用できます。
<configuration>
<runtime>
<CompatSortNLSVersion enabled="4096"/>
</runtime>
</configuration>
ただし、ソース コードの変更とアプリケーションの再コンパイルが必要になる場合があります。
互換性に影響する可能性がある変更点がアプリケーションに与える影響を評価するには、次の変更一覧を確認する必要があります。
「Breaking Changes in .NET Framework 2.0 (.NET Framework 2.0 の互換性に影響する変更点)」に記載されている、.NET Framework 1.1 を対象とするアプリケーションに影響する可能性がある .NET Framework 2.0 SP1 の変更点。
「Changes in .NET Framework 3.5 SP1 (.NET Framework 3.5 SP1 での変更点)」に記載されている、.NET Framework 3.5 からの .NET Framework 3.5 SP1 の変更点。
「.NET Framework 4 への移行に関する問題」に記載されている、.NET Framework 3.5 SP1 からの .NET Framework 4 の変更点。
旧式の型およびメンバー
旧式の型およびメンバーの影響は、アプリケーションを再ターゲットする場合と再コンパイルする場合とでは若干異なります。 旧式の型およびメンバーを使用しても、その型およびメンバーをアセンブリから物理的に削除しない限り、再ターゲットしたアプリケーションには影響しません。 旧式の型およびメンバーを使用してアプリケーションを再コンパイルすると、通常はコンパイラ エラーではなく、コンパイラの警告が発生します。 ただし、場合によってはコンパイラ エラーが発生し、旧式の型またはメンバーを使用したコードをコンパイルできないことがあります。 その場合は、旧式の型またはメンバーを呼び出すソース コードを変更してからアプリケーションを再コンパイルする必要があります。 旧式の型およびメンバーの詳細については、「.NET Framework の互換性のために残されている機能」を参照してください。
.NET Framework 2.0 SP1 のリリース以後に非推奨になった型およびメンバーの影響を評価するには、「.NET Framework の互換性のために残されている機能」を参照してください。 .NET Framework 2.0 SP1、.NET Framework 3.5、および .NET Framework 4 について、旧式の型およびメンバーの一覧を確認してください。
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