統合開発環境 (Visual Basic 6.0 ユーザー向け)

更新 : 2007 年 11 月

Visual Basic 2008 は、Microsoft Visual Studio 2005 統合開発環境 (IDE: Integrated Development Environment) に完全に統合されています。この開発環境は、Visual Basic 6.0 IDE とはいくつかの点で異なります。

ウィンドウとレイアウトの変更点

Visual Basic 2008 におけるウィンドウの標準的な配置は、Visual Basic 6.0 とは異なります。Visual Basic 6.0 の配置を使用する場合は、ウィンドウを手動で配置することによって、Visual Basic 6.0 の配置を設定できます。次に IDE を開くと、配置が保持されます。

Visual Basic 6.0 では、IDE が既定で MDI (マルチ ドキュメント インターフェイス) レイアウトに設定されており、必要に応じて SDI (シングル ドキュメント インターフェイス) レイアウトに設定できました。Visual Basic 2008 では、IDE の既定のレイアウトがタブ付きドキュメント レイアウトになっています。SDI レイアウトはサポートされていません。MDI レイアウトに変更するには、[ツール] メニューの [オプション] を選択し、[環境] の [全般] タブの [マルチ ドキュメント] を選択します。

Visual Basic 6.0 では、[ツール] メニューの [オプション] を選択することによって、一部のツール ウィンドウのドッキング動作を制御できます。Visual Basic 2008 では、すべてのウィンドウに既定でドッキング機能が備わっています。この動作は、[ウィンドウ] メニューの [ドッキング可能] を使用して制御できます。

また Visual Basic 6.0 と Visual Basic 2008 では、使用できるウィンドウにもいくつかの相違点があります。

z6ztfs1c.alert_note(ja-jp,VS.90).gifメモ :

Visual Basic 2008 では、一部のデバッグ ウィンドウは実行モードだけで使用できます。デザイン モードに切り替えると、これらのウィンドウは表示されなくなります。

次の表は、いくつかの Visual Basic 6.0 ウィンドウと、それらに対応する Visual Basic 2008 のウィンドウを示しています。

Visual Basic 6.0

Visual Basic 2008

[カラー パレット]

新規に実装されました。

[データ ビュー]

新規に実装されました。サーバー エクスプローラに置き換えられています。

[フォーム レイアウト]

新規に実装されました。

[プロジェクト エクスプローラ]

[ソリューション エクスプローラ]

[ウォッチ]

[ウォッチ 1]、[ウォッチ 2]、[ウォッチ 3]、[ウォッチ 4]

メニューの変更点

Microsoft Visual Studio 2005 のメニュー コマンドは、すべての言語に対して標準化されています。Visual Basic 6.0 の一部のメニュー コマンドは、Microsoft Visual Studio 2005 では別のコマンドに置き換えられます。

Visual Basic 6.0 では、すべてのメニュー コマンドが常に表示され、コンテキストから外れたときには淡色表示になります。Visual Basic 2008 では、利用できるコマンドがコンテキストに応じて変化します。

Visual Basic 6.0 の一般的なコマンドと、それに相当する Visual Basic 2008 のコマンドを次の表に示します。

Visual Basic 6.0

Visual Basic 2008

[アドイン] - [アドイン マネージャ]

[ツール] - [アドイン マネージャ]

[デバッグ] - [ウォッチ式の追加]

[ウォッチ式の追加] (コンテキスト メニューのみ)

[デバッグ] - [ウォッチ式の編集]

新規に実装されました。ウォッチは [ウォッチ] ウィンドウで編集します。

[デバッグ] - [カーソル行の前まで実行]

[カーソル行の前まで実行] (コンテキスト メニューのみ)

[デバッグ] - [次のステートメントの設定]

[次のステートメントの設定] (コンテキスト メニューのみ)

[デバッグ] - [次のステートメントの表示]

[次のステートメントの表示] (コンテキスト メニューのみ)

[編集] - [入力候補]

[編集] - [IntelliSense] - [入力候補]

[編集] - [検索]

[編集] - [クイック検索]

[編集] - [次を検索]

[編集] - [クイック検索]

[編集] - [インデント]

[編集] - [詳細] - [行インデント]

[編集] - [ファイルの挿入]

[編集] - [テキストとしてファイルを挿入]

[編集] - [定数の一覧]

[編集] - [IntelliSense] - [メンバの一覧]

[編集] - [プロパティ/メソッドの一覧]

[編集] - [IntelliSense] - [メンバの一覧]

[編集] - [インデントを戻す]

[編集] - [詳細] - [行インデント解除]

[編集] - [パラメータ ヒント]

[編集] - [IntelliSense] - [パラメータ ヒント]

[編集] - [クイック ヒント]

[編集] - [IntelliSense] - [クイック ヒント]

[編集] - [置換]

[編集] - [クイック置換]

[ファイル] - [<プロジェクト名> の作成]

[ビルド] - [<プロジェクト名> のビルド]

[ファイル] - [プロジェクト グループの作成]

[ビルド] - [ソリューションのビルド]

[ファイル] - [プリンタの設定]

[ファイル] - [ページ設定]

[ファイル] - [最近使ったファイル]

[ファイル] - [最近使ったプロジェクト]

[ファイル] - [プロジェクトの解放]

[編集] - [削除]

[ファイル] - [プロジェクト グループの上書き保存]

[ファイル] - [<プロジェクト名> の保存] または [ファイル] - [すべてを保存]

[ファイル] - [名前を付けてプロジェクト グループの保存]

[ファイル] - [名前を付けて <ソリューション名> を保存]

[ファイル] - [選択項目の上書き保存]

[ファイル] - [選択されたファイルを上書き保存]

[書式] - [グリッドに合わせる]

新規に実装されました。[グリッドに合わせる] 環境オプションによって制御されます。

[ヘルプ] - [Microsoft Web ページ]

[コミュニティ] - [ディベロッパー センター]

[プロジェクト] - [クラス モジュールの追加]

[プロジェクト] - [クラスの追加]

[プロジェクト] - [Data Environment の追加]

新規に実装されました。データ環境はサポートされていません。

[プロジェクト] - [Data Report の追加]

新規に実装されました。データ レポートはサポートされていません。

[プロジェクト] - [DHTML Page の追加]

新規に実装されました。DHTML ページはサポートされていません。

[プロジェクト] - [ファイルの追加]

[プロジェクト] - [新しい項目の追加] または [プロジェクト] - [既存項目の追加]

メモ   Visual Basic 6.0 ではファイルが直接プロジェクトに追加されますが、Visual Basic 2008 ではファイルのコピーが追加されます。

[プロジェクト] - [フォーム モジュールの追加]

[プロジェクト] - [Windows フォームの追加] または [プロジェクト] - [継承フォームの追加]

[プロジェクト] - [MDI フォーム モジュールの追加]

[プロジェクト] - [Windows フォームの追加] または [プロジェクト] - [継承フォームの追加]

[プロジェクト] - [プロパティ ページの追加]

新規に実装されました。プロパティ ページはサポートされていません。

[プロジェクト] - [ユーザー ドキュメントの追加]

新規に実装されました。ActiveX ドキュメントはサポートされていません。

[プロジェクト] - [WebClass の追加]

新規に実装されました。Web クラスはサポートされていません。

[プロジェクト] - [コンポーネント]

新規に実装されました。コンポーネントはツールボックスで管理されます。

[プロジェクト] - [参照設定]

新規に実装されました。参照はソリューション エクスプローラで管理されます。

[プロジェクト] - [item の解放]

[編集] - [削除]

z6ztfs1c.alert_note(ja-jp,VS.90).gifメモ :
"item の解放" では、項目がプロジェクトからは解放されますが、ディスクからは削除されませんでした。"削除" では項目が削除されます。

[実行] - [中断]

[デバッグ] - [すべて中断]

[実行] - [終了]

[デバッグ] - [デバッグの停止]

[実行] - [再実行]

[デバッグ] - [再起動]

[実行] - [開始]

[デバッグ] - [デバッグ開始]

[実行] - [完全コンパイル後に開始]

新規に実装されました。CTRL+F5 キーを押すと、デバッグせずに引き続き実行できます。

[ツール] - [プロシージャの追加]

新規に実装されました。プロシージャはコード エディタで追加されます。

[ツール] - [メニュー エディタ]

新規に実装されました。メニュー エディタの代わりに、MainMenu コンポーネントと ContextMenu コンポーネントが用意されています。

[ツール] - [プロシージャ属性]

新規に実装されました。

[ツール] - [Visual SourceSafe]

[ファイル] - [ソース管理]

[表示] - [呼び出し履歴]

[デバッグ] - [ウィンドウ] - [呼び出し履歴]

[表示] - [カラー パレット]

新規に実装されました。[カラー パレット] ウィンドウはありません。

[表示] - [データ ビュー ウィンドウ]

新規に実装されました。[データ ビュー ウィンドウ] はありません。

[表示] - [定義]

[定義へ移動] (コンテキスト メニューのみ)

[表示] - [フォーム レイアウト ウィンドウ]

新規に実装されました。[フォーム レイアウト ウィンドウ] はありません。

[表示] - [イミディエイト ウィンドウ]

[デバッグ] - [ウィンドウ] - [イミディエイト]

[表示] - [元の位置へ移動]

新規に実装されました。ブックマークを使用してください。

[表示] - [ローカル ウィンドウ]

[デバッグ] - [ウィンドウ] - [ローカル]

[表示] - [オブジェクト]

[表示] - [デザイナ]

[表示] - [プロジェクト エクスプローラ]

[表示] - [ソリューション エクスプローラ]

[表示] - [ウォッチ ウィンドウ]

[デバッグ] - [ウィンドウ] - [ウォッチ]

[ウィンドウ] - [アイコンの整列]

新規に実装されました。

[ウィンドウ] - [重ねて表示]

MDI レイアウト モードだけで使用できます。

[ウィンドウ] - [上下に並べて表示]

MDI レイアウト モードだけで使用できます。

[ウィンドウ] - [左右に並べて表示]

MDI レイアウト モードだけで使用できます。

[ウィンドウ] - [ウィンドウの一覧]

[ウィンドウ]

キーボード マップの変更点

Microsoft Visual Studio 2005 におけるキーボード マップは、IDE を初めて読み込むときに選択する設定プロファイルに基づきます。Visual Basic プロファイルを選択すると、キーボード マップは Visual Basic 6.0 のキーボード マップと同じになります。[ツール] メニューの [オプション] ダイアログ ボックスで、キーボード マップを変更したり、元の設定に戻したりできます。詳細については、「Visual Studio の設定」を参照してください。

参照

その他の技術情報

開発環境のカスタマイズ

デバッガのロードマップ

Visual Basic 6.0 ユーザー向けのヘルプ