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Web パーツの概要

  • [アーティクル]

Web パーツは、ASP.NET アプリケーションまたは Windows SharePoint Services サイト内の特殊なページ (Web パーツ ページ) のコンテキストで実行されるサーバー側のコントロールです。Web パーツは、Windows SharePoint Services のページの "構成ブロック" です。Windows SharePoint Services には、製品のインストール後すぐに使用できる Web パーツが用意されています。また、独自の Web パーツを作成し、サーバーに展開することもできます。

Windows SharePoint Services 2.0 の Web パーツが普及しているので、Windows SharePoint Services 3.0 には、ASP.NET 2.0 の新しい Web パーツ インフラストラクチャのサポートが追加されています。この新しい Web パーツ インフラストラクチャは、Windows SharePoint Services 2.0 の Web パーツ インフラストラクチャと似ていますが異なるものです。

Windows SharePoint Services 3.0 の Web パーツの種類

Windows SharePoint Services 3.0 には、2 種類の Web パーツ スタイルがあります。どちらもサポートされていますが、新しいプロジェクトには ASP.NET 2.0 スタイルの Web パーツを使用することをお勧めします。

  • SharePoint ベースの Web パーツ — この旧スタイルの Web パーツは、Microsoft.SharePoint.dll と依存関係があるため、Microsoft.SharePoint.WebPartPages 名前空間の [WebPart] 基本クラスから継承する必要があります。これらの Web パーツは、SharePoint Web サイトでのみ使用できます。ただし、Windows SharePoint Services 3.0 では、旧スタイルで作成された Web パーツが Windows SharePoint Services 3.0 ランタイムと互換性を持つことができるように、 Microsoft.SharePoint.dll が変更されています。

    注意

    Windows SharePoint Services の WebPart クラスから派生するケースの詳細については、「Windows SharePoint Services の Web パーツ インフラストラクチャ」の「When to Derive from the Windows SharePoint Services WebPart Class 」を参照してください。

  • ASP.NET 2.0 Web パーツ — この Web パーツは、ASP.NET Web パーツ インフラストラクチャの上に作成されます。この新しい ASP.NET スタイルの Web パーツは System.Web.dll と依存関係があるため、System.Web.UI.WebControls.WebParts 名前空間の [WebPart] という別の基本クラスから継承する必要があります。これらの Web パーツは、Windows SharePoint Services が使用されているかどうかに関係なく Windows SharePoint Services アプリケーションで使用できるため、再利用度が高くなります。

    注意

    SharePoint サイト専用の Web パーツを作成する場合、そのパーツが Windows SharePoint Services オブジェクト モデルを使用するのであれば、ASP.NET System.Web.UI.WebControls.WebParts.WebPart 基本クラスからの派生を実行し、プロジェクトに SharePoint オブジェクト モデルへの参照を追加できます。

ASP.NET 2.0 Web パーツの詳細

Windows SharePoint Services 3.0 の Web Part インフラストラクチャは、ASP.NET 2.0 の WebPartManager コントロールから派生した SPWebPartManager というコントロールの上に構築されています。SPWebPartManager コントロールは、ASP.NET サービス データベースではなく、Windows SharePoint Servicesコンテンツ データベース内に Web パーツ データを保持するために、WebPartManager コントロールの標準動作を無効にします。唯一の必須インスタンスは default.master に既に定義されているため、ほとんどの場合、SPWebPartManager コントロールを直接処理することを気にかける必要はありません。default.master にリンクするコンテンツ ページを作成すると、SPWebPartManager コントロールが既に含まれています。

注意

Windows SharePoint Services 3.0 の Web パーツ ページの Web パーツ領域は、ASP.NET 2.0 の標準の WebPartZone コントロールではなく、[Microsoft.SharePoint.WebPartPages] 名前空間で定義されている WebPartZone コントロールを使用して作成する必要があります。

標準的な ASP.NET 2.0 アプリケーションの Web パーツ ページを作成する場合、Web パーツの表示モードを管理するために、WebPartManager コントロールと対話するロジックを追加する必要があります。また、通常、エディタ パーツとカタログ パーツを、これらを含む HTML レイアウトと共にページに明示的に追加することも必要となります。ただし、Windows SharePoint Services 3.0 サイトのコンテンツ ページの作成時に、これらの変更を行う必要はありません。代わりに、[Microsoft.SharePoint.WebPartPages] 名前空間で定義されている [WebPartPage] クラスから継承すると、そのクラスによってすべての処理が裏側で実行されます。

ASP.NET Web パーツの作成方法の詳細については、「Windows SharePoint Services の ASP.NET AJAX」、および ASP.NET ドキュメントの「Web パーツ コントロール セットの概要」を参照してください。

カスタム Web パーツ

カスタム Web パーツは、開発者がカスタマイズと個人用設定の両方をサポートするユーザー インターフェイス要素を作成するための 1 つの方法です。サイトの所有者、または適切な権限を持つサイトのメンバは、ブラウザまたは Microsoft Office SharePoint Designer 2007 を使用して Web パーツを追加、再構成、または削除することで Web パーツ ページをカスタマイズできます。

Windows SharePoint Services 2.0 では、開発者はカスタム Web パーツを作成して、ユーザーによるカスタマイズと個人用設定の機能を追加することにより、SharePoint サイトを拡張できます。カスタマイズという用語は、変更がサイトのすべてのメンバに適用されることを意味しています。各ユーザーは、さらに Web パーツを追加、再構成、および削除することで、Web パーツ ページを個人用に設定できます。個人用設定という用語は、変更を行ったユーザーだけにその変更が適用されることを意味しています。カスタム Web パーツの開発は、Windows SharePoint Services サイトを拡張するための簡単で強力な方法です。

Windows SharePoint Services の Web パーツ インフラストラクチャは ASP.NET 2.0 Web パーツ コントロール セットの上に構築されているので、開発者は ASP.NET プログラミングの知識を活かして、堅牢なカスタム Web パーツをすばやく作成できます。

以下に、カスタム Web パーツを有効に使用する方法をいくつか示します。

  • ユーザー インターフェイスで表示および変更できるカスタム プロパティを作成する。

  • パフォーマンスおよび拡張性を向上させる。コンパイル済みのカスタム Web パーツはスクリプトよりも高速です。

  • ソース コードを公開することなく独自のコードを実装する。

  • Web パーツ内のコンテンツへのアクセスを保護および制御する。組み込みの Web パーツを使用すると、適切な権限を持つユーザーであれば、だれでもコンテンツや Web パーツの機能を変更できます。カスタム Web パーツを使用すると、ユーザーの権限にかかわらず表示するコンテンツまたはプロパティを決定できます。

  • Web パーツを接続可能にする。これにより、接続可能な Web パーツ間でのデータの提供またはアクセスが可能になります。

  • Windows SharePoint Services で公開されているオブジェクト モデルと対話する。たとえば、Windows SharePoint Services ドキュメント ライブラリにドキュメントを格納するカスタム Web パーツを作成できます。

  • 組み込みのキャッシュ ツールを使用して Web パーツのキャッシュを制御する。たとえば、これらのツールを使用して、Web パーツのキャッシュの読み込み、書き込み、または無効化のタイミングを指定できます。

  • Microsoft Visual Studio 2005 などのツールにより提供されるデバッグ機能を備えた豊富な開発環境の恩恵を受ける。

  • 他の Web パーツを拡張するための基本クラスを作成する。たとえば、似た機能を持つ Web パーツのコレクションを作成するには、複数の Web パーツが継承できるカスタム基本クラスを作成します。これにより、以降の Web パーツの開発およびテストの全体的なコストを削減できます。

  • Web パーツの実装を制御する。たとえば、バックエンド データベースに接続するサーバー側のカスタム Web パーツや、さまざま Web ブラウザと互換性のある Web パーツを作成できます。

See Also

タスク

[方法] ASP.NET の Web パーツをエクスポートして Windows SharePoint Services サイトにインポートする

参照

Microsoft.SharePoint.WebPartPages

概念

Windows SharePoint Services の Web パーツ インフラストラクチャ

Windows SharePoint Services で Web パーツを開発する

その他のリソース

Discover Significant Developer Improvements In SharePoint Services