レポートと ReportViewer コントロールの配置

レポートと ReportViewer コントロールは、アプリケーションの一部として自由に配布できます。 配置要件は、コントロールの種類によって、また、レポートがローカル処理とリモート処理のどちらに構成されているかによって大きく異なります。 同じアプリケーションに、ローカル処理されるレポートとリモート処理されるレポートを配置できます。

ReportViewer コントロールの再配布

再配布可能な ReportViewer コントロールは、.msi や他のファイルが含まれている ReportViewer.exe という名前の自己展開型ファイルです。 Microsoft ダウンロード センターから ReportViewer.exe をダウンロードできます。

注意

異なるバージョンの再配布可能な ReportViewer コントロールを同じコンピューターにインストールすることができます。

ReportViewer.exe を実行すると、配置先のコンピューター上のグローバル アセンブリ キャッシュ フォルダーに次のファイルがインストールされます。

  • Microsoft.ReportViewer.Common.dll

  • Microsoft.ReportViewer.ProcessingObjectModel.dll

  • Microsoft.ReportViewer.WebForms.dll

  • Microsoft.ReportViewer.WinForms.dll

  • Microsoft.ReportViewer.DataVisualization.dll

ReportViewer.exe の実行

使用するコントロールの種類によって、ReportViewer.exe をどこで実行するかが決まります。

  • ASP.NET アプリケーションの場合は、アプリケーションをホストする Web サーバーで ReportViewer.exe を実行します。 これはサーバー管理者が行う必要があります。

  • Windows フォーム ClickOnce アプリケーションの場合は、コントロールが ClickOnce アプリケーションで自動的にインストールされるように、コントロールをアプリケーションの前提条件として含めます。 ブートストラップ アプリケーションを使用すると、この手順を自動化できます。

    1. プロジェクトのプロパティ ページを開きます。

    2. [発行] タブをクリックし、[必須コンポーネント] ボタンをクリックします。

    3. [Microsoft Visual Studio Report Viewer] および [SQL Server CLR 型] を選択し、[OK] をクリックします。

    4. [必須コンポーネントをコンポーネントの開発元の Web サイト オプションからダウンロード] がオンになっていることを確認します。 サポートされているオプションはこれのみです。 [OK] をクリックします。

    5. [オプション] をクリックします。

    6. [配置] タブで、配置された Web ページを指定し、[発行後に毎回配置 Web ページを自動的に生成する] チェックボックスをオンにします。

    7. [OK] をクリックして、アプリケーションを発行します。

    Web ページのような ClickOnce アプリケーションにアクセスする場合、ReportViewer の必須コンポーネントが既にインストールされているかどうかを調べるチェックがクライアント コンピューターで実行されます。 インストールされていない場合は、セットアップ プログラムによってインストールされます。

ローカライズ版の ReportViewer コントロールの配置

再配布可能な ReportViewer コントロールは、簡体字中国語、繁体字中国語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、日本語、韓国語、ポルトガル語 (ブラジル)、ロシア語、およびスペイン語の 10 か国語にローカライズされています。 ローカライズ版の Visual Studio をインストールした場合、Microsoft ダウンロード センターからローカライズされた再配布可能な ReportViewer をダウンロードできます。

ReportViewer コントロールで他の言語を使用するには、IreportViewerMessages3 または IreportViewerMessages3 インターフェイスを実装して、特定の言語でツールヒントなどのユーザー インターフェイスのテキストを作成します。

ms251723.collapse_all(ja-jp,VS.140).gifブラウザーの言語およびカルチャ設定の検出

ReportViewer Web サーバー コントロールを使用してブラウザー アプリケーションでレポートをホストしている場合、ブラウザーの言語およびカルチャ設定に一致するユーザー インターフェイスを提供するには、スレッドのカルチャを設定する必要があります。 ASP.NET では、クライアントから提供されるヘッダー情報に基づいてスレッドのカルチャが設定されることはありません。 アプリケーションとブラウザーのカルチャ設定を一致させるには、アプリケーション コードで Thread.CurrentCulture および Thread.CurrentUICulture を設定します。 アプリケーションでカルチャ設定を操作する方法の詳細については、「System.Globalization.CultureInfo」を参照してください。

ReportViewer Web サーバー コントロールの配置に関する注意事項

Web ファームに ASP.NET アプリケーションを配置するには、ファーム全体にわたってビュー状態を維持するために追加の構成が必要になります。 Web ファーム環境に ReportViewer Web サーバー コントロールを配置する場合は、アプリケーションの Web.config ファイルで machineKey 要素を指定する必要があります。 詳細については、「ReportViewer 用の Web.config 設定」を参照してください。

ReportViewer Web サーバー コントロールで処理されるレポートには、さまざまなブラウザー要件があります。 ブラウザーの互換性の問題が、一部のレポート機能の利用に影響する可能性があります。 詳細については、「ReportViewer Web サーバー コントロールのブラウザー サポート」を参照してください。

レポート ファイルの配布

実行時に LocalReport.LoadReportDefinition メソッドまたは ServerReport.LoadReportDefinition メソッドを使用してクライアント レポート定義を動的に生成するのでなければ、レポート ファイルはアプリケーションに含めて配布することもできます。その場合、レポート ビューアー コントロールの処理モードによっていくつかの選択肢があります。

ローカルで処理されるレポートは、ネットワーク フォルダーに格納するか、またはアプリケーションの実行可能ファイルにコンパイルすることができます。 リモート サーバーで処理されるレポートは通常、SQL Server Reporting Services レポート サーバーに保存されます。 ServerReport.LoadReportDefinition メソッドを使用してレポート サーバー以外の場所から手動でレポートを読み込む必要がある場合を除き、アプリケーションに含めるレポート ファイルはありません。 パブリッシュするレポートをレポート サーバーに配置するには、レポート サーバーへの継続したアクセスを提供し、アプリケーション ユーザーがそのサーバーでレポートを表示するために認証されるようにする必要があります。 サーバー レポートを配置するには、レポート サーバーで使用される認証拡張機能と、コンテンツおよび操作へのアクセスを提供するロール ベースの承認モデルについて理解する必要があります。 詳細については、「サーバー レポートの配置に関する注意事項」を参照してください。

参照

概念

ReportViewer コントロールの追加と設定

ReportViewer 用の Web.config 設定

非同期表示のための ReportViewer の構成

ReportViewer ツール バーの構成と使用