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IDENT_CURRENT (Transact-SQL)

更新 : 2006 年 7 月 17 日

任意のセッションや任意のスコープ内の指定されたテーブルに生成された最後の ID 値を返します。

トピック リンク アイコンTransact-SQL 構文表記規則

構文

IDENT_CURRENT( 'table_name' )

引数

  • table_name
    ID 値が返されるテーブルの名前を指定します。table_name のデータ型は varchar で、既定値はありません。

戻り値の型

numeric(38,0)

例外

エラーが発生した場合、または呼び出し元にオブジェクトの表示権限がない場合は、NULL が返されます。

SQL Server 2005 では、そのユーザーが所有しているか、または権限を与えられているセキュリティ保護可能なアイテムのメタデータのみを表示できます。つまり、オブジェクトに対する権限がユーザーに与えられていない場合、メタデータを生成する組み込み関数 (IDENT_CURRENT など) が NULL を返す可能性があります。詳細については、「メタデータ表示の構成」および「メタデータ表示のトラブルシューティング」を参照してください。

解説

IDENT_CURRENT は、SQL Server 2000 の ID 関数 SCOPE_IDENTITY および @@IDENTITY に似ています。3 つの関数とも、最後に生成された ID 値を返します。ただし、各関数の中で、最後が定義されるスコープとセッションがそれぞれ異なります。

  • IDENT_CURRENT は、任意のセッションおよび任意のスコープ内の特定のテーブルに対して生成された最後の ID 値を返します。
  • @@IDENTITY は、すべてのスコープを対象に、現在のセッション内の任意のテーブルに対して生成された最後の ID 値を返します。
  • SCOPE_IDENTITY は、現在のセッションと現在のスコープ内の任意のテーブルに対して生成された最後の ID 値を返します。

IDENT_CURRENT 関数は、空のテーブルまたは ID 列のないテーブルで呼び出された場合、NULL を返します。

失敗したステートメントやトランザクションにより、テーブルの現在の ID が変更され、ID 列の値にギャップが生じることがあります。ID 値がロールバックされることはありません。これは、テーブルに値を挿入するトランザクションがコミットされない場合でも同じです。たとえば、IGNORE_DUP_KEY 違反によって INSERT ステートメントが失敗した場合でも、テーブルの現在の ID 値は増分されます。

次に生成される ID 値の予測に IDENT_CURRENT を使用する場合は注意してください。実際に生成される値は、他のセッションで実行される挿入操作が原因で、IDENT_CURRENT と IDENTITY_SEED の合計値とは異なる可能性があります。

A. 指定したテーブルに対して生成された最新の ID 値を返す

次の例では、AdventureWorks データベースの Person.Address テーブルに対して生成された最新の ID 値を返します。

USE AdventureWorks;
GO
SELECT IDENT_CURRENT ('Person.Address') AS Current_Identity;
GO

B. IDENT_CURRENT、@@IDENTITY、および SCOPE_IDENTITY により返された ID 値を比較する

次の例では、IDENT_CURRENT@@IDENTITY、および SCOPE_IDENTITY によって返される異なる ID 値を示しています。

USE AdventureWorks;
GO
IF OBJECT_ID(N't6', N'U') IS NOT NULL 
    DROP TABLE t6;
GO
IF OBJECT_ID(N't7', N'U') IS NOT NULL 
    DROP TABLE t7;
GO
CREATE TABLE t6(id int IDENTITY);
CREATE TABLE t7(id int IDENTITY(100,1));
GO
CREATE TRIGGER t6ins ON t6 FOR INSERT 
AS
BEGIN
   INSERT t7 DEFAULT VALUES
END;
GO
--End of trigger definition

SELECT id FROM t6;
--id is empty.

SELECT id FROM t7;
--ID is empty.

--Do the following in Session 1
INSERT t6 DEFAULT VALUES;
SELECT @@IDENTITY;
/*Returns the value 100. This was inserted by the trigger.*/

SELECT SCOPE_IDENTITY();
/* Returns the value 1. This was inserted by the 
INSERT statement two statements before this query.*/

SELECT IDENT_CURRENT('t7');
/* Returns value inserted into t7, that is in the trigger.*/

SELECT IDENT_CURRENT('t6');
/* Returns value inserted into t6. This was the INSERT statement four statements before this query.*/

-- Do the following in Session 2.
SELECT @@IDENTITY;
/* Returns NULL because there has been no INSERT action 
up to this point in this session.*/

SELECT SCOPE_IDENTITY();
/* Returns NULL because there has been no INSERT action 
up to this point in this scope in this session.*/

SELECT IDENT_CURRENT('t7');
/* Returns the last value inserted into t7.*/

参照

関連項目

@@IDENTITY (Transact-SQL)
SCOPE_IDENTITY (Transact-SQL)
IDENT_INCR (Transact-SQL)
IDENT_SEED (Transact-SQL)
式 (Transact-SQL)
システム関数 (Transact-SQL)

ヘルプおよび情報

SQL Server 2005 の参考資料の入手

変更履歴

リリース 履歴

2006 年 7 月 17 日

追加内容 :
  • 「例外」を追加しました。

2006 年 4 月 14 日

新しい内容 :
  • 次の ID 値の予測に IDENT_CURRENT を使用する場合の注意を追加。