データベースの事前構築 (SQL Server Compact)

デバイス アプリケーションがレプリケーション サブスクライバである場合に、大量の情報が格納されたデータベースに接続すると、各デバイスによる SQL Server との初回の同期に非常に時間がかかる場合があります。この時間を短縮するには、初期データベースを作成して初回の同期データを格納し、そのデータベースを各デバイスにコピーします。このデータベースは 1 つのデバイスで事前構築するか、SQL Server 2008 以降のバージョンがインストールされている開発用コンピュータで事前構築します。

注意

レプリケーションに関連する SQL Server Compact 3.5 データベースはサブスクライバ ID で一意に識別されます。このため、データベースを新しい場所に移動またはコピーすると、次回の同期時に、そのデータベースには SQL Server Compact 3.5 によって新しいサブスクライバ ID が自動的に割り当てられます。

スマート デバイスのデータベースの事前構築

スマート デバイスで SQL Server Compact 3.5 データベースを事前構築する場合は、次の手順に従います。

  1. スマート デバイスにアプリケーションをインストールします。

  2. アプリケーションを使用して新しい SQL Server Compact 3.5 データベース ファイルを作成します。次に、リモート データ アクセス (RDA) またはレプリケーションによって SQL Server データベースに接続し、ローカル データベース ファイルに初期データをダウンロードします。

  3. アプリケーションを停止します。

  4. Microsoft ActiveSync を使用してデバイスに接続します。

  5. ActiveSync エクスプローラ関数を使用し、スマート デバイスから開発用コンピュータに .sdf ファイルをコピーします。

  6. コピーした .sdf ファイルは、ActiveSync エクスプローラを使って他のスマート デバイスにコピーしたり、アプリケーションの .cab インストール ファイルの一部としてインストールすることができます。

SQL Server によるデータベースの事前構築

SQL ServerManagement Studio では、開発用サーバーで SQL Server Compact 3.5 .sdf ファイルを作成できます。これで時間を節約できます。デバイスにアプリケーションを配置し、データを同期してから、データベース ファイルをサーバーに手動でコピーするという手順が不要になるためです。デスクトップ上にデータベース ファイルを直接作成するには、SQL Server 2008 以降のバージョンがインストールされている必要があります。

SQL Server Compact 3.5 データベースをローカルに作成する方法については、「サーバーで SQL Server Compact データベースを作成する方法」を参照してください。

データベースを作成したら、パブリケーションからのデータを格納できます。詳細については、「SQL Server Compact サブスクリプションを作成する方法 (SQL Server Management Studio)」を参照してください。

.sdf ファイルを作成してデータを格納したら、次の方法でサポート対象のデバイスに配布します。

  • ActiveSync を使用してスマート デバイスに .sdf ファイルをコピーする。

  • .sdf ファイルをスマート デバイスに直接コピーする。

  • SD (Secure Digital) メディアまたは CF (CompactFlash) メディアなどのリムーバブル メディアに .sdf ファイルをコピーする。

  • .sdf ファイルをスマート デバイス アプリケーションのインストール .cab ファイルか、デスクトップ アプリケーション用の .msi または .exe ファイルに含める。

自動 ID 範囲管理によるパブリケーションのサブスクライブ

自動 ID 範囲管理を使用するパブリケーションは、各サブスクライバに ID の範囲を割り当てます。これにより、複数のサブスクライバがパブリケーションに新しい行を追加する場合の ID の競合を防ぎます。各サブスクライバが一意の ID の範囲を持つように、初期 .sdf ファイルがコピーされた後で、新しい行がデータベースに追加される前に、各サブスクライバとパブリケーションを同期する必要があります。