IDE の概要 (Visual C#)

[アーティクル]
09/17/2008

更新 : 2007 年 11 月

Visual C# の統合開発環境 (IDE: Integrated Development Environment) は、共通のユーザーインターフェイスで公開される開発ツールのコレクションです。ツールの一部は他の Visual Studio 言語と共有されますが、C# コンパイラなど、Visual C# に固有のものもあります。ここでは、開発プロセスのさまざまな段階において IDE で作業するときに、重要な Visual C# ツールの使用方法について概要を説明します。

メモ :
ASP.NET 2.0 Web アプリケーションを開発する場合は、Visual Studio の一部として完全に統合されている Visual Web Developer IDE を使用します。ただし、分離コードページを Visual C# で記述する場合は、Visual Web Developer の内部で Visual C# コードエディタを使用することになります。そのため、「ユーザーインターフェイスのデザイン (Visual C#)」など、このセクションの一部のトピックは、Web アプリケーションには適用されない場合があります。

ASP.NET 2.0 Web アプリケーションを開発する場合は、Visual Studio の一部として完全に統合されている Visual Web Developer IDE を使用します。ただし、分離コードページを Visual C# で記述する場合は、Visual Web Developer の内部で Visual C# コードエディタを使用することになります。そのため、「ユーザーインターフェイスのデザイン (Visual C#)」など、このセクションの一部のトピックは、Web アプリケーションには適用されない場合があります。

Visual C# ツール

次に、Visual C# で重要なツールとウィンドウを示します。ほとんどのツールのウィンドウは、[表示] メニューから開くことができます。

コードエディタ。ソースコードを記述します。
C# コンパイラ。C# ソースコードを実行可能プログラムに変換します。
Visual Studio デバッガ。プログラムをテストします。
ツールボックスとデザイナ。マウスを使用して、ユーザーインターフェイスを簡単に開発できます。
ソリューションエクスプローラ。プロジェクトファイルと設定を表示および管理します。
プロジェクトデザイナ。コンパイラオプション、配置パス、リソースなどを設定します。
クラスビュー。ファイル別ではなく、型別にソースコード全体をナビゲーションします。
[プロパティ] ウィンドウ。ユーザーインターフェイスのコントロールに関するプロパティとイベントを設定します。
オブジェクトブラウザ。.NET Framework アセンブリや COM オブジェクトなど、ダイナミックリンクライブラリで使用できるメソッドとクラスを表示します。
Document Explorer。ローカルコンピュータおよびインターネット上にある製品ドキュメントの表示と検索を行います。

IDE でツールを表示する方法

IDE では、ウィンドウ、メニュー、プロパティページ、およびウィザード経由でツールとやり取りします。次に、基本的な IDE を示します。

Visual C# 統合開発環境

Ctrl キーを押しながら Tab キーを押すと、開かれている任意のツールウィンドウやファイルにすばやくアクセスできます。詳細については、「移動と検索 (Visual C#)」を参照してください。

エディタと Windows フォームデザイナのウィンドウ

大きなメインウィンドウは、コードエディタ、Windows フォームデザイナ、または Windows Presentation Foundation デザイナで使用されます。[表示] メニューの [コード] または [デザイナ] をクリックするか、キーボードショートカットの F7 キーを押すか、Shift キーを押しながら F7 キーを押すと、コードビューとデザインビューに切り替えることができます。デザインビューでは、ツールボックスからウィンドウにコントロールをドラッグして配置できます。コントロールは、左側のマージンにある [ツールボックス] タブをクリックすると表示されます。コードエディタの詳細については、「コードの編集 (Visual C#)」を参照してください。デザイナの詳細については、「Windows フォームデザイナ」および「WPF デザイナの概要」を参照してください。

右下の [プロパティ] ウィンドウは、デザインビューでのみ表示されます。このウィンドウで、ボタン、テキストボックスなどのユーザーインターフェイスコントロールについて、プロパティを設定し、イベントをフックします。このウィンドウを [自動的に隠す] に設定すると、[コードビュー] に切り替えるたびに、右側のマージンに最小化表示されます。[プロパティ] ウィンドウとデザイナの詳細については、「ユーザーインターフェイスのデザイン (Visual C#)」を参照してください。

ソリューションエクスプローラとプロジェクトデザイナ

右上のウィンドウは、ソリューションエクスプローラです。プロジェクトのすべてのファイルが階層的なツリービューで表示されます。[プロジェクト] メニューを使用し、新しいファイルをプロジェクトに追加すると、ソリューションエクスプローラに表示されます。ソリューションエクスプローラには、ファイルだけでなく、プロジェクト設定や、アプリケーションに必要な外部ライブラリへの参照も含まれます。

プロジェクトデザイナのプロパティページにアクセスするには、ソリューションエクスプローラの [プロパティ] ノードを右クリックし、[開く] をクリックします。ビルドオプション、セキュリティ要件、配置の詳細などのプロジェクトプロパティを変更するときに、このページを使用します。ソリューションエクスプローラとプロジェクトデザイナの詳細については、「プロジェクトの作成 (Visual C#)」を参照してください。

コンパイラ、デバッガ、およびエラー一覧のウィンドウ

C# コンパイラは対話形式のツールではないため、ウィンドウはありませんが、[プロジェクトデザイナ] でコンパイラオプションを設定できます。[ビルド] メニューの [ビルド] をクリックすると、IDE から C# コンパイラが呼び出されます。ビルドが成功すると、ステータスペインにビルド正常終了メッセージが表示されます。ビルドエラーがあると、エディタ/デザイナウィンドウの下部にエラー一覧が記載された [エラー一覧] ウィンドウが表示されます。エラーをダブルクリックすると、ソースコードの該当する行にジャンプします。F1 キーを押すと、強調表示されているエラーのヘルプドキュメントが表示されます。

デバッガにはさまざまなウィンドウがあり、実行しているアプリケーションの変数値や型に関する情報が表示されます。デバッグ時には、[コードエディタ] ウィンドウを使用して、デバッガの実行を一時停止する行を指定し、一度に 1 行ずつコードをステップ実行できます。詳細については、「ビルドとデバッグ (Visual C#)」を参照してください。

IDE のカスタマイズ

Visual C# のウィンドウはいずれも、ドッキング可能またはフローティングにしたり、非表示/表示を切り替えたり、新しい位置へ移動したりできます。ウィンドウの動作を変更するには、タイトルバーの下向きの矢印かプッシュピンアイコンをクリックし、使用できるオプションから選択します。ドッキングウィンドウを新しいドッキング位置に移動するには、ウィンドウドロッパーアイコンが表示されるところまでタイトルバーをドラッグします。マウスの左ボタンを押したままで、新しい位置のアイコン上にマウスポインタを移動します。ウィンドウをドッキングする側 (左側、右側、上部、または下部) のアイコン上にポインタを移動します。中間のアイコンにポインタを移動すると、ウィンドウがタブ付きウィンドウになります。ポインタを移動するときに、青色の半透明の四角形が表示されます。これは、ウィンドウをドッキングする新しい位置を示します。

Visual Studio ドッキングウィンドウ