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開発環境のインストール

Microsoft Visual Studio 開発環境を使って、Microsoft SQL Server 2005 Compact Edition (SQL Server Compact Edition) を使用するアプリケーションを開発できます。Visual Studio 開発環境では、SQL Server Compact Edition を使用するアプリケーションのビルドと配置を簡単に行えます。Visual Studio では、C# や Microsoft Visual Basic を使用してマネージ アプリケーションを作成したり、Microsoft Visual C++ オプション (以前の名前は Microsoft eMbedded Visual C++ 4.0) を使用して、デスクトップおよびデバイス用のネイティブ アプリケーションを作成できます。Microsoft Visual C++ オプションは Visual Studio 2005 パッケージの一部です。

メモ :
Microsoft eMbedded Visual Basic は、SQL Server Compact Edition ではサポートされません。

Visual Studio のファイルの場所と説明

次の表は、Visual Studio 2005 を使用する際に開発用コンピュータにインストールされる SQL Server Compact Edition ファイルを場所ごとに示しています。既定では、これらのファイルとフォルダは C:\Program Files\Microsoft Visual Studio 8 に作成されます。

ディレクトリ 内容

\SmartDevices\SDK\SQL Server\Mobile\v3.0\platform\processor

一連のサブフォルダ。各フォルダに含まれるファイルを以下に示します。

  • sqlce30.platform.processor.cab
    sqlce30.platform.processor.cab ファイルには、sqlcese30.dll、sqlceqp30.dll、sqlceme30.dll、System.Data.SqlServerCe.dll が含まれます。
  • sqlce30.repl.platform.processor.cab
    sqlce30.repl.platform.processor.cab ファイルには、sqlceca30.dll、sqlceoledb30.dll、および sqlcecompact30.dll が含まれます。
  • sqlce30.dev.lang.platform.processor.cab。sqlce30.dev.lang.platform.processor.cab ファイルには、SQL Server Compact Edition クエリ アナライザを実装するプログラムである isqlw30.exe と、開発に役立つエラーの説明を提供する sqlceerr30lang.dll が含まれます。

\SmartDevices\SDK\SQL Server\Mobile\v3.0

このフォルダには、SQL Server Compact Edition Readme ファイル (ssmreadme.htm)、SQL Server Compact Edition サーバー ツールのセットアップ (sqlce30setup[lang].msi)、SQL Server 2000 のレプリケーション コンポーネント (sql2k[lang]sp3a.msi)、および SQL Server Compact Edition のネイティブ ヘッダー ファイル (ssceOleDB30.h、ca_merge30.h、および ssceerr30.h) が含まれます。

\SDK\v2.0\BootStrapper\Packages\SQL Server Compact Edition\

これらのフォルダには、デスクトップ コンピュータおよび Tablet PC で SQL Server Compact Edition をインストールするための SQL Server Compact Edition インストーラ (SQLServerEv31-[lang]) が含まれます。

マネージ アプリケーションの開発

デバイス アプリケーションの場合、Microsoft .NET Compact Framework アプリケーションで、System.Data.SqlServerCe 名前空間への参照を追加します。.NET Compact Framework では、System.Data.SqlServerCe 名前空間が SQL Server Compact Edition を示します。その後、データベース、データベースのテーブルと列を作成して、データベースにデータを設定できます。

デスクトップ アプリケーションの場合、Microsoft .NET Framework アプリケーションで、System.Data.SqlServerCe 名前空間への参照を追加します。System.Data.SqlServerCe への参照を追加するには、ソリューション エクスプローラで [参照設定] を右クリックし、[参照の追加] を選択します。[参照の追加] ダイアログ ボックスの [参照] をクリックし、%Program File%\Microsoft SQL Server Compact Edition\v3.1 フォルダに移動して、System.Data.SqlServerCe.dll を選択してから [OK] をクリックします。

メモ :
Visual Studio 2005 RTM バージョンを使用してアプリケーションを開発する場合、System.Data.SqlServerCe 名前空間へのパスは %Program Files%\Microsoft Visual Studio 8\SmartDevices\SDK\SQL Server\Mobile\v3.0 になります。Visual Studio 2005 SP1 を使用してアプリケーションを開発する場合、この名前空間へのパスは %Program Files%\Microsoft SQL Server Compact Edition\v3.1 になります。

System.Data.SqlServerCe 参照がソリューション エクスプローラの [参照] ペインに追加されます。System.Data.SqlServerCe 名前空間を追加すると、SQL Server Compact Edition が .NET Framework で公開されます。その後、データベース、データベースのテーブルと列を作成して、データベースにデータを設定できます。

System.Data.SqlServerCe 名前空間を参照する .NET Compact Framework アプリケーションをビルドし、スマート デバイスや Pocket PC エミュレータに配置すると、Visual Studio により自動的に、デバイスに .NET Compact Framework と SQL Server Compact Edition のクライアント コンポーネントがインストールされているかどうかが確認されます。検出されなかった場合、これらのコンポーネントは System.Data.SqlServerCe 名前空間を参照するアプリケーションを初めて配置する際に自動的にインストールされます。

また、.NET Compact Framework および .NET Framework には、SQL Server 2000 以降のバージョンのデータベースに直接アクセスするアプリケーションの開発で使用する System.Data.SqlClient 名前空間も含まれています。

モバイル デバイスにマネージ アプリケーションを配置するには、Visual Studio 2005 で、[デバッグ] メニューの [開始] を選択します。次に、接続先スマート デバイスと Pocket PC エミュレータのどちらに配置するかを指定します。このデバイスの既定のインストール場所は \Windows です。

Visual Studio 内からアプリケーションを配置する場合は、デバイスに SQL Server Compact Edition コンポーネントまたは .NET Compact Framework を個別にインストールする必要はありません。

ClickOnce 配置によるマネージ アプリケーションの配置

ClickOnce は、SQL Server Compact Edition でサポートされる新しいアプリケーション配置技術で、デスクトップ コンピュータおよび Tablet PC にマネージ アプリケーションを配置するために使用します。ClickOnce によって、Windows ベースのアプリケーションを容易に Web サーバーやネットワークのファイル共有へ配置できるようになります。管理者は、サーバー上のファイルを更新するだけでアプリケーションを配置または更新できます。クライアントごとに更新を行う必要はありません。Visual Studio 2005 では、ClickOnce によって配置されたアプリケーションのパブリッシュや更新が完全にサポートされます。ClickOnce 配置は、Visual Basic、Visual C#、および Visual J# によって作成されたプロジェクトでは使用できますが、Visual C++ では使用できません。

ClickOnce と SQL Server Compact Edition を統合する方法

メモ :
Visual Studio 2005 初回リリース バージョンを使用している場合は、次の手順を実行して ClickOnce を SQL Server Compact Edition に組み込む必要があります。Visual Studio 2005 SP1 バージョンでは、ClickOnce が SQL Server Compact Edition に自動的に組み込まれます。

ClickOnce を SQL Server Compact Edition に組み込むには、次の手順を実行します。

  1. SQL Server の Web サイトから SqlEv31ClickOnce_EN.zip ファイルをダウンロードします。このファイルには次のファイルが含まれています。
    1. Product.xml。ベース パッケージを定義します。
    2. Package.xml。言語別の情報や機能を定義します。
    3. sqlev31eula-EN.txt。Microsoft ソフトウェア使用許諾契約が含まれています。
      次のように、/SQL Server Compact Edition ディレクトリにこれらのファイルを保存します。
      %Program Files%\Microsoft Visual Studio 8\SDK\v2.0\BootStrapper\Packages\SQL Server Compact Edition\Product.xml
      %Program Files%\Microsoft Visual Studio 8\SDK\v2.0\BootStrapper\Packages\SQL Server Compact Edition\en\Package.xml
      %Program Files%\Microsoft Visual Studio 8\SDK\v2.0\BootStrapper\Packages\SQL Server Compact Edition\en\sqlev31eula-EN.txt
  2. SQL Server Compact Edition のインストール ファイル (SQLServerEv31-JA.msi) のローカル コピーをとっておくには、ファイルを %Program Files%\Microsoft Visual Studio 8\SDK\v2.0\BootStrapper\Packages\SQL Server Compact Edition\en フォルダにコピーします。

Visual C++ によるネイティブ デバイス アプリケーションの開発

Visual C++ は、SQL Server Compact Edition を使用するネイティブ アプリケーションの開発に使用できる Visual Studio のオプションです。

Visual C++ を使用して SQL Server Compact Edition アプリケーションを開発する際は、空の Visual C++ プロジェクトを作成し、そのプロジェクトに SQL Server Compact Edition を含めます。この操作を実行するには、[プロジェクト] メニューの [ファイルの追加] をクリックし、SsceOleDB.h、ca_mergex30.h、および Ssceerr30.h をプロジェクトに追加します。

Visual C++ を使用してネイティブ アプリケーションを開発する際は、SQL Server Compact Edition をスマート デバイスに手動でコピーする必要があります。詳細については、「デバイスへの SQL Server Compact Edition のインストールと配置」を参照してください。SQL Server Compact Edition インストーラ (SQLServerEv31-JA.msi) を使用すると、SQL Server Compact Edition をデスクトップ コンピュータおよび Tablet PC に配置できます。

参照

処理手順

SQL Server Compact Edition をデバイスにインストールする方法

その他の技術情報

アプリケーションの構築と配置 (SQL Server Compact Edition)

ヘルプおよび情報

SQL Server Compact Edition のサポートについて