Share via


開発環境のインストール

Microsoft Visual Studio 開発環境を利用すると、SQL Server Compact 3.5 を使用するアプリケーションを開発できます。このトピックの情報は、SQL Server Compact 3.5 Service Pack 1 (SP1) にも適用できます。Visual Studio は、SQL Server Compact 3.5 を使用するアプリケーションの開発と配置を行うための最も簡単な方法です。Visual Studio では、Visual C# または Visual Basic を使用して、マネージ アプリケーションを作成できます。Visual C++ オプション (以前は Microsoft eMbedded Visual C++ 4.0 と呼ばれていました) を使用して、デスクトップ コンピュータおよびデバイス用のネイティブ アプリケーションを作成することもできます。これは、Visual Studio 2008 スイートの一部として含まれています。

注意

Microsoft eMbedded Visual Basic は、SQL Server Compact 3.5 以降のバージョンではサポートされません。

Visual Studio のファイルの場所と説明

次の表は、Visual Studio 2008 を使用する際に開発用コンピュータにインストールされる SQL Server Compact 3.5 ファイルを場所ごとに示しています。既定では、これらのファイルとフォルダは %ProgramFiles%\Microsoft Visual Studio 9.0 と %ProgramFiles%\Microsoft SQL Server Compact Edition\v3.5\ に作成されます。

ディレクトリ 内容

%ProgramFiles%\Microsoft SQL Server Compact Edition\v3.5

デスクトップ コンピュータ用の SQL Server Compact 3.5 DLL である、sqlcecompact35.dll、sqlceca35.dll、sqlceme35.dll、sqlceoledb35.dll、sqlceqp35.dll、および sqlcese35.dll。エラーの説明を提供する DLL の sqlceer35<lang>.dll もこのフォルダにインストールされます。このエラー説明用 DLL の名前には、EN、FR などのように、言語ごとに異なる 2 文字のサフィックスが含まれています。このフォルダには、Readme ファイル、使用許諾契約書、Redist_<lang>.txt なども含まれています。

%ProgramFiles%\Microsoft SQL Server Compact Edition\v3.5\Desktop

SQL Server Compact 3.5 のデスクトップ用のマネージ プロバイダである System.Data.SqlServerCe.dll。

%ProgramFiles%\Microsoft SQL Server Compact Edition\v3.5\Sync\SQL

SQL Server と SQL Server Compact 3.5 の間でデータをレプリケートする SQL Server Compact 3.5 サーバー ツールの DLL である sqlcesa35.dll、sqlcerp35.dll、および ConnWiz.exe。このフォルダには、SQL Server Compact 3.5 サーバー ツールの使用許諾契約書のファイルも含まれています。

%ProgramFiles%\Microsoft SQL Server Compact Edition\v3.5\<lang>

マネージ プロバイダのローカライズされたリソースである System.Data.SqlServerCe.resources.dll。

%ProgramFiles%\Microsoft SQL Server Compact Edition\v3.5\Devices\platform\processor

一連のサブフォルダ。各フォルダに含まれるファイルを以下に示します。

sqlce.platform.processor.cab

sqlce.platform.processor.cab ファイルには、sqlcese35.dll、sqlceqp35.dll、sqlceme35.dll、および System.Data.SqlServerCe.dll が含まれています。

sqlce.repl.platform.processor.cab

sqlce.repl.platform.processor.cab ファイルには、sqlceca35.dll、sqlceoledb35.dll、および sqlcecompact35.dll が含まれています。

sqlce.dev.lang.platform.processor.cab。sqlce.dev.lang.platform.processor.cab ファイルには、SQL Server Compact 3.5 クエリ アナライザを実装するプログラムである isqlw35.exe と、開発に役立つエラーの説明を提供する sqlceerr35lang.dll が含まれます。

%ProgramFiles%\Microsoft SQL Server Compact Edition\v3.5\Devices\Client

SQL Server Compact 3.5 を使用せずにモバイル デバイスから直接 SQL Server に接続するために使用する System.Data.SqlClient.dll。SQL Server Compact 3.5 をモバイル デバイスに配置するための CAB ファイルである sql.[platform].[processor].cab と sql.dev.[platform].[processor].cab。これらの CAB ファイルの配置先は、%ProgramFiles%\Microsoft SQL Server Compact Edition\v3.5\Devicesplatform\processor フォルダです。

ms171951.note(ja-jp,SQL.100).gifメモ:
%ProgramFiles%\Microsoft SQL Server Compact Edition\v3.5\Devices\wce500 フォルダの CAB ファイルおよび DLL ファイルは、Windows CE 6.0 および Windows Mobile 6.0 デバイスに SQL Server Compact 3.5 をインストールするときにも使用されます。

%ProgramFiles%\Microsoft SQL Server Compact Edition\v3.5\Include

SQL Server Compact 3.5 のネイティブ ヘッダー ファイル (sqlce_sync.h、sqlce_err.h、および sqlce_oledb.h)。

%ProgramFiles%\Microsoft Visual Studio 9.0\SDK\v3.5\Bootstrapper\Packages\SQL Server Compact Edition\

Visual Studio の ClickOnce 機能を使用してデスクトップ コンピュータに SQL Server Compact 3.5 を配置するための SQL Server Compact 3.5 のファイルを含む一連のフォルダ。

%ProgramFiles%\Microsoft SQL Server Compact Edition\v3.5\Samples

サンプル データベースである Northwind.sdf が含まれます。また、SQL Server Compact 3.5 SP1 サンプルの MSI によってインストールされるサンプルである NorthwindOLEDB および IBuySpy も含まれます。

%ProgramFiles%\Microsoft SQL Server Compact Edition\v3.5\Tools

SQL Server Management Studio で SQL Server Compact データベースを管理するために使用される DLL が含まれます。これらの DLL は SQL Server Compact 3.5 SP1 クエリ ツールの MSI によってインストールされます。

ファイルは以下のとおりです。

Microsoft.SqlServerCe.Client.dll、Microsoft.SqlServerCe.Enumerator.dll、Microsoft.SqlServerCe.ManagementUI.dll、Microsoft.SqlServerCe.ReplWiz.dll、および ConnWiz.exe。

%ProgramFiles%\Microsoft Synchronization Services\ADO.NET\v1.0\

Microsoft Synchronization Services for ADO.NET 用の DLL。

Microsoft.Synchronization.Data.Server.dll、Microsoft.Synchronization.Data.dll、Microsoft.Synchronization.Data.SqlServerCe.dll、および ReadMeSSC35.htm。

64 ビット コンポーネントの詳細については、「64 ビット データベース アプリケーションの管理」を参照してください。

マネージ アプリケーションの開発

デバイス アプリケーションの場合、Microsoft .NET Compact Framework アプリケーションで、System.Data.SqlServerCe 名前空間への参照を追加します。.NET Compact Framework では、System.Data.SqlServerCe 名前空間が SQL Server Compact 3.5 を示します。その後、データベース、データベースのテーブルと列を作成して、データベースにデータを追加できます。

デスクトップ アプリケーションの場合、Microsoft .NET Framework アプリケーションで、System.Data.SqlServerCe 名前空間への参照を追加します。System.Data.SqlServerCe への参照を追加するには、ソリューション エクスプローラで [参照設定] を右クリックし、[参照の追加] をクリックします。[参照の追加] ダイアログ ボックスの [参照] をクリックし、%ProgramFiles%\Microsoft SQL Server Compact Edition\v3.5\Desktop フォルダに移動して、System.Data.SqlServerCe.dll を選択してから [OK] をクリックします。

注意

Visual Studio を使用してアプリケーションを開発する場合、この名前空間へのパスは %ProgramFiles%\Microsoft SQL Server Compact Edition\v3.1 になります。SQL Server Compact 3.5 のパスは、%ProgramFiles%\Microsoft SQL Server Compact Edition\v3.5\Desktop です。

System.Data.SqlServerCe 参照がソリューション エクスプローラの [参照] ペインに追加されます。System.Data.SqlServerCe 名前空間を追加すると、SQL Server Compact 3.5 が .NET Framework で公開されます。その後、データベース、データベースのテーブルと列を作成して、データベースにデータを追加できます。

System.Data.SqlServerCe 名前空間を参照する .NET Compact Framework アプリケーションをビルドし、スマート デバイスや Pocket PC エミュレータに配置すると、Visual Studio により、デバイスに .NET Compact Framework と SQL Server Compact 3.5 のクライアント コンポーネントがインストールされているかどうかが自動的に確認されます。検出されなかった場合、これらのコンポーネントは System.Data.SqlServerCe 名前空間を参照するアプリケーションを初めて配置する際に自動的にインストールされます。

また、.NET Compact Framework および .NET Framework には、SQL Server 2005 以降のバージョンのデータベースに直接アクセスするアプリケーションの開発で使用する System.Data.SqlClient 名前空間も含まれています。

モバイル デバイスにマネージ アプリケーションを配置するには、Visual Studio 2008 で、[デバッグ] メニューの [デバッグ開始] をクリックします。次に、接続先スマート デバイスと Pocket PC エミュレータのどちらに配置するかを指定します。デバイス上での、既定のインストールの場所は %ProgramFiles%\Microsoft SQL Server Compact Edition\v3.5 です。

Visual Studio 内からアプリケーションを配置する場合は、デバイスに SQL Server Compact 3.5 コンポーネントまたは .NET Compact Framework を個別にインストールする必要はありません。

ClickOnce 配置によるマネージ アプリケーションの配置

ClickOnce は、SQL Server Compact 3.5 でサポートされる新しいソフトウェア インストール技術で、デスクトップ コンピュータにマネージ アプリケーションを配置するために使用します。ClickOnce を使用すると、Windows ベースのアプリケーションを Web サーバーやネットワーク上のファイル共有に容易に配置できるようになります。管理者は、サーバー上のファイルを更新するだけでアプリケーションを配置または更新できます。クライアントごとに更新を行う必要はありません。Visual Studio 2008 では、ClickOnce によって配置されたアプリケーションのパブリッシュや更新が完全にサポートされます。ClickOnce 配置は、Visual Basic、Visual C#、および Visual J# によって作成されたプロジェクトでは使用できますが、Visual C++ では使用できません。

Visual C++ によるネイティブ デバイス アプリケーションの開発

Visual C++ は、SQL Server Compact 3.5 を使用するネイティブ アプリケーションの開発に利用できる Visual Studio のオプションです。

Visual C++ を使用して SQL Server Compact 3.5 アプリケーションを開発する際は、空の Visual C++ プロジェクトを作成し、そのプロジェクトに SQL Server Compact 3.5 を含めます。この操作を実行するには、[プロジェクト] メニューの [ファイルの追加] をクリックし、sqlce_sync.h、sqlce_err.h、および sqlce_oledb.h をプロジェクトに追加します。

Visual C++ を使用してネイティブ アプリケーションを開発する際は、SQL Server Compact 3.5 をスマート デバイスに手動でコピーする必要があります。詳細については、「デバイスへのインストールと配置 (SQL Server Compact)」を参照してください。SQL Server Compact 3.5 インストーラ (SSCERuntime-ENU.msi) を使用すると、SQL Server Compact 3.5 をデスクトップ コンピュータに配置できます。

参照

処理手順

デバイスに SQL Server Compact をインストールする方法

その他のリソース

開発者ガイド (SQL Server Compact)

ヘルプおよび情報

サポートについて (SQL Server Compact 3.5 Service Pack 1)