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インストールする Reporting Services コンポーネントの選択

SQL Server 2005 Reporting Services (SSRS) は、サーバー側コンポーネントとクライアント側コンポーネントで構成されます。これらのコンポーネントは、まとめてインストールすることも、個別にインストールすることもできます。使用するコンポーネントを決定したら、セットアップを実行してコンポーネントをインストールします。各コンポーネントのインストール方法の詳細については、「セットアップを使用した Reporting Services のインストール」を参照してください。

セットアップを複数回実行すれば、1 台のコンピュータ上に複数のレポート サーバー インスタンスをインストールできます。クライアント コンポーネントは、任意の Reporting Services エディションを使用して、どのコンピュータ上にでもインストールできます。サーバー コンポーネントの場合は、SQL Server ライセンスが必要です。Reporting Services サーバー コンポーネントをインストールするどのコンピュータにも、有効な SQL Server ライセンスが必要です。

ms143238.note(ja-jp,SQL.90).gifメモ :
インストールするエディションによっては、一部の機能を使用できない場合があります。詳細については、SQL Server Books Online の「SQL Server 2005 の各エディションがサポートする機能」を参照してください。

サーバー コンポーネント

以下のサーバー コンポーネントが Reporting Services に含まれています。

レポート サーバー

レポート サーバーはレポートの処理と表示を行います。対話型のレポートを定期的に配信する機能も備わっています。レポート サーバーは、Microsoft Windows サービス、および Microsoft インターネット インフォメーション サービス (IIS) 上で動作する ASP.NET Web サービスとして実装されます。レポート サーバーはステートレス サーバーで、メタデータやオブジェクトの定義をレポート サーバー データベースに格納します。レポート サーバー コンポーネントをインストールすると、Windows サービスと Web サービスの両方がホスト コンピュータにインストールされます。

レポート サーバーは、Windows Server 2003 または Windows XP を使用しているコンピュータにインストールすることをお勧めします。Windows 2000 Server 上にレポート サーバー コンポーネントをインストールして実行することも可能ですが、権限借用やネットワーク アクセスに関する制限があるため、一部のレポート サーバー機能を使用できなくなります。

ms143238.note(ja-jp,SQL.90).gif重要 :
レポート サーバーをホストするコンピュータを選択するときは、コンピュータ名にアンダースコアが含まれているコンピュータを避けてください。コンピュータ名にアンダースコア文字が使用されていて、Internet Explorer のセキュリティ修正プログラム MS01-055 が適用されているコンピュータ上では、レポート サーバーはセッションの状態情報を保持しません。このセキュリティ修正プログラムは、コンピュータ名にアンダースコアを使用しているクライアント コンピュータ上で Cookie が設定されないようにし、Reporting Services のセッション管理機能を使用できないようにします。解決方法については、サポート技術情報の記事 316112 を参照してください。

レポート サーバー データベース

Reporting Services では、レポート サーバー インスタンスの内部記憶域として 2 つの SQL Server データベースを使用します。1 つは実行中に使用されるデータの格納用、もう 1 つは一時記憶域用となります。これらのデータベースは一緒に作成され、名前でバインドされます。既定では、データベース名はそれぞれ reportserverreportservertempdb になります。Reporting Services には、レポート サーバー データベースをホストするローカルまたはリモートの SQL Server インスタンスが必要です。使用できるインスタンスは、SQL Server 2000 または SQL Server 2005 のいずれかです。レポート サーバー データベースに関するエディションの要件の詳細については、「レポート サーバー データベースの作成」を参照してください。

レポート サーバー データベースは、セットアップ中でもセットアップ完了後でも作成できます。SQL Server 2005 データベース エンジン インスタンスと Reporting Services を同じコンピュータ上に同時にインストールする場合は、セットアップでレポート サーバー データベースを作成できます。ただし、レポート サーバー データベースのホストに SQL Server 2000 を使用する場合や、リモートの SQL Server インスタンスを使用する場合は、[サーバーを構成せずにインストールする] インストール オプションを選択し、セットアップ完了後に Reporting Services 構成ツールを使用してレポート サーバー データベースを作成および構成する必要があります。詳細については、「ローカル レポート サーバーおよびリモート レポート サーバー データベースをインストールする方法」を参照してください。

レポート マネージャ

レポート マネージャは、1 つのレポート サーバー インスタンスを管理する Web ベースの管理ツールです。既定では、レポート マネージャはレポート サーバーと共にインストールされます。他のツール (SQL Server Management Studio やカスタム アプリケーションなど) を使用してレポート サーバーを管理する場合は、このコンポーネントをインストールする必要はないため、[機能の選択] ツリーから削除できます。

レポート ビルダ

レポート ビルダは ClickOnce アプリケーションです。このコンポーネントを使用して、モデル デザイナで作成およびパブリッシュしたデータ モデルからアドホック レポートを作成できます。レポート ビルダは、レポート サーバー コンポーネントと共にインストールされます。ユーザーはレポート マネージャまたは URL を使用してレポート ビルダにアクセスできます。管理者はロールの割り当てを構成するかレポート サーバーのシステム プロパティを設定して、レポート ビルダへのアクセスを制限または禁止できます。詳細については、SQL Server Books Online の「レポート ビルダにアクセスするためのロールの割り当て」を参照してください。

Reporting Services 構成

Reporting Services 構成ツールは、レポート サーバー インスタンスと共にインストールされます。このツールを使用して、レポート サーバーのインストールをカスタマイズまたは配置できます。このツールは、レポート サーバーのインストールで必須のコンポーネントです。

クライアント コンポーネント

Reporting Services では、以下のクライアント コンポーネントを使用します。これらのコンポーネントはクライアント コンピュータにインストールできます。SQL Server ライセンスは必要ありません。

レポート デザイナ

Reporting Services には、レポート デザイナという名前のレポート作成ツールが含まれています。レポート デザイナを使用すると、レポートの作成、編集、およびプレビューを実行して、そのレポートをレポート サーバーに配置できます。レポート デザイナは、Visual Studio 2005 内で動作します。

モデル デザイナ

モデル デザイナは、レポート ビルダでアドホック ビジネス レポート用のモデルを作成するためのツールです。モデル デザイナでデータ リレーションシップを指定すると、それに基づいてアドホック レポートが生成されます。モデル デザイナは、Visual Studio 2005 内で動作します。

コマンド プロンプト ユーティリティ

Reporting Services には、インストールした Reporting Services を管理するためのコマンド プロンプト ツールが用意されています。コマンド プロンプト ユーティリティで実行できるほとんどの操作は Reporting Services 構成ツールでも行えますが、必要であれば、次のコマンド ライン ユーティリティをインストールして、レポート サーバーの管理タスクを実行できます。

  • Rsconfig : インストール完了後、レポート サーバー データベースの接続設定を変更する場合に使用します。また、自動レポート処理で使用する暗号化されたアカウント情報を設定することもできます。
  • Rs : Microsoft Visual Basic スクリプトを処理して一般的なタスクを繰り返し実行する場合や、同じタスクを複数のコンピュータ上で実行する場合に使用するスクリプト ホストです。
  • Rskeymgmt : レポート サーバーで使用する暗号化キーのバックアップと復元を行います。

各ツールの詳細については、SQL Server Books Online の「rsconfig ユーティリティ」、「rs ユーティリティ」、および「rskeymgmt ユーティリティ」を参照してください。

SQL Server Management Studio

Management Studio では、1 つ以上のレポート サーバー インスタンスを管理できます。Management Studio は、すべての SQL Server コンポーネント サーバーを一括管理できる総合サーバー管理ワークスペースです。

SQL Server 構成マネージャ

SQL Server 構成マネージャでは、レポート サーバー操作を定期的に実行したり、レポート サーバーを初期化したりする際に必要となる、レポート サーバー用 Windows サービスのプロパティを表示および設定できます。

配置モデルの選択

SQL Server ライセンスを節約する必要がある場合や、レポート要件が広範囲でない場合は、すべてのサーバー コンポーネントを同一のコンピュータ上にインストールできます。ただし、多数のユーザーがレポートを使用する場合は、レポート サーバー データベースを専用サーバーにインストールした方がパフォーマンスが向上します。配置モデルの詳細については、SQL Server Books Online の「Reporting Services の配置の計画」を参照してください。

参照

概念

SQL Server Reporting Services のインストール

その他の技術情報

Reporting Services のコンポーネントの概要

ヘルプおよび情報

SQL Server 2005 の参考資料の入手