セットアップ コマンド リファレンス (PowerPivot for SharePoint)

SQL Server 2008 R2 セットアップには、新規または既存のファームに PowerPivot for SharePoint をインストールするための新しいコマンドがあります。PowerPivot for SharePoint をインストールすると、SharePoint ファームで PowerPivot ブックを表示したりそれらにアクセスしたりできるようになります。

このトピックのセクションは次のとおりです。

使用例

PowerPivot のインストールに使用するインストール パラメーターの一覧

セットアップ ロール

新しいファーム構成のオプション

'PowerPivot' インスタンス名

PowerPivot のインストールにおけるアカウント

使用例

次の例は、SharePoint ファームに PowerPivot サーバー コンポーネントをインストールするためのサンプル コマンドを示しています。これらのコマンドの使用方法および変更方法については、「コマンド プロンプトから PowerPivot for SharePoint をインストールする方法」を参照してください。

既存の SharePoint ファームへの PowerPivot のインストール

Setup.exe /q /IAcceptSQLServerLicenseTerms /ACTION=install /ROLE=SPI_AS_ExistingFarm /INSTANCENAME=PowerPivot /INDICATEPROGRESS
/ASSVCACCOUNT=<DomainName\UserName> /ASSVCPASSWORD=<StrongPassword> /ASSYSADMINACCOUNTS=<Domain\UserName> 

セットアップ中に構成される新しいファームへの PowerPivot のインストール

Setup.exe /q /IAcceptSQLServerLicenseTerms /ACTION=install /ROLE=SPI_AS_NewFarm /INSTANCENAME=PowerPivot /INDICATEPROGRESS
/SQLSVCACCOUNT=<DomainName\UserName> /SQLSVCPASSWORD=<StrongPassword> /SQLSYSADMINACCOUNTS=<DomainName\UserName> 
/AGTSVCACCOUNT=<DomainName\UserName> /AGTSVCPASSWORD=<StrongPassword> 
/ASSVCACCOUNT=<DomainName\UserName> /ASSVCPASSWORD=<StrongPassword> /ASSYSADMINACCOUNTS=<DomainName\UserName> 
/FARMACCOUNT=<DomainName\UserName> /FARMPASSWORD=<StrongPassword> /PASSPHRASE=<StrongPassword> /FARMADMINPORT=<availablePort> 

PowerPivot のインストールに使用するインストール パラメーターの一覧

次の表に示すパラメーターは、PowerPivot のインストール用コマンド ライン スクリプトを作成する場合に使用します。この表には、SharePoint ファームに Analysis Services をインストールする場合にのみ使用する新しいコマンドが含まれています。また、PowerPivot のインストールに必須または推奨される既存のコマンドも含まれています。

SQL Server のコンポーネント

パラメーター

説明

SQL Server セットアップ コントロール

/ACTION

必須

インストール ワークフローを示すために必要です。

サポートされる値:

  • Install

SQL Server セットアップ コントロール

/Q

オプション

セットアップが、ユーザー インターフェイスなしで、非表示モードで実行されるように指定します。このパラメーターは、自動インストールに使用されます。

SQL Server セットアップ コントロール

/QS

オプション

セットアップが UI を使用して実行され、UI を使用して進捗状況が表示されるように指定します。さらに、セットアップで入力ができないように、またはエラー メッセージが表示されないように指定します。

SQL Server セットアップ コントロール

/IAcceptSQLServerLicenseTerms

自動インストールのために /Q パラメーターまたは /QS パラメーターを指定した場合にのみ必要

ライセンス条項への同意を確認するために必要です。

SQL Server セットアップ コントロール

/INDICATEPROGRESS

オプション

詳細なセットアップ ログ ファイルがコンソールにパイプされるように指定します。

SQL Server セットアップ コントロール

/INSTANCENAME='PowerPivot'

必須

PowerPivot のインストールに必要な 'PowerPivot' インスタンス名を指定します。インスタンス名は PowerPivot のインストールに必須ですが、コマンドで指定しなくてもかまいません。指定しなくても、'PowerPivot' インスタンス名が使用されます。

SQL Server セットアップ コントロール

/PID

オプション

SQL Server のエディション用のプロダクト キーを指定します。このパラメーターが指定されていない場合、Evaluation が使用されます。

SQL Server セットアップ コントロール

/ROLE

必須

インストールする Analysis Services セットアップ ロールを指定します。

サポートされる値:

  • SPI_AS_NewFarm

  • SPI_AS_ExistingFarm

Analysis Services

/ASSVCACCOUNT

必須

Analysis Services サービスのアカウントを指定します。

Analysis Services

/ASSVCPASSWORD

必須

Analysis Services サービスのパスワードを指定します。

Analysis Services

/ASSVCSTARTUPTYPE

オプション

Analysis Services サービスのスタートアップ モードを指定します。

サポートされる値 :

  • Automatic

  • Disabled

  • Manual

Analysis Services

/ASSYSADMINACCOUNTS

必須

Analysis Services の管理者資格情報を指定します。 /assysadminaccounts パラメーターには、SQL Server セットアップを実行しているユーザーの ID を設定する必要があります。システム管理者を少なくとも 1 人指定する必要があります。SQL Server セットアップでは、あらかじめ登録された Administrators グループのメンバーに対して sysadmin 権限が自動的に付与されなくなったことに注意してください。

Analysis Services

/FARMACCOUNT

必須

新しいファーム構成のみの場合に、サーバーの全体管理サービスを実行し、SharePoint 構成データベースに接続するために使用するアカウントを指定します。

Analysis Services

/FARMPASSWORD

必須

ファーム アカウントのパスワードを指定します。

Analysis Services

/PASSPHRASE

必須

新しいファーム構成のみの場合に、ファーム管理者がファームでアプリケーション サーバーを追加したり、Web フロント エンド サーバーを削除したりするときに入力する必要のあるパスフレーズを指定します。

Analysis Services

/FARMADMINPORT

必須

新しいファーム構成のみの場合に、SharePoint サーバーの全体管理 Web アプリケーションに接続するために使用するポート番号を指定します。ポート番号はサーバーの全体管理の構成に必須ですが、コマンドで指定しなくてもかまいません。既存のポートで使用されていないランダムな番号が選択されます。

SQL Server Browser

/BROWSERSVCSTARTUPTYPE

オプション

SQL Server Browser サービスのスタートアップ モードを指定します。

サポートされる値:

  • Automatic

  • Disabled

  • Manual

SQL Server エンジン

/SQLSVCACCOUNT

必須

SQL Server サービスの開始アカウントを指定します。

SQL Server エンジン

/SQLSVCPASSWORD

必須

SQLSVCACCOUNT のパスワードを指定します。

SQL Server エンジン

/SQLSVCSTARTUPTYPE

オプション

SQL Server サービスのスタートアップ モードを指定します。

サポートされる値:

  • Automatic

  • Disabled

  • Manual

セットアップ ロール

セットアップ ロールとは、SQL Server コンポーネント、および特定のコンテキストでコンポーネントをインストールするアプリケーション ファイルを選択するために用意されている設定です。Analysis Services の場合、セットアップ ロールのインストールは、既存の SharePoint ファームまたは新しい未構成のファームに SQL Server PowerPivot for SharePoint を配置するために使用します。これらのシナリオをサポートするために、2 つのセットアップ ロールが用意されています。セットアップ ロールは、他のロールとも、個々のコンポーネントを選択するために使用する機能ツリーとも相互排他的です。インストールするために選択できるセットアップ ロールは一度に 1 つだけです。セットアップ ロールを選択すると、そのロールに所属する機能とコンポーネントがセットアップによってインストールされます。ロールに指定されている機能とコンポーネントは変更できません。

セットアップ ロールは /ROLE パラメーターによって指定します。/ROLE は、セットアップの /FEATURE パラメーターの代わりに使用します。/ROLE パラメーターをコマンドに追加する場合、同じコマンドで /FEATURE パラメーターは使用できません。

次の表に、PowerPivot for SharePoint で使用できるセットアップ ロールを示します。

Role

内容

SPI_AS_ExistingFarm

Analysis Services の SharePoint 統合モード

PowerPivot System サービス

PowerPivot ソリューション パッケージ

更新された Analysis Services のクライアント ライブラリと OLE DB プロバイダー

SQL Server オンライン ブック

SPI_AS_NewFarm

PowerPivot for SharePoint を既定の構成でインストールして構成します。詳細については、「PowerPivot for SharePoint の既定の構成」を参照してください。

新しいファーム構成のオプション

/ROLE=SPI_AS_NewFarm パラメーターによって、専用の PowerPivot サーバーを必要とするユーザー向けにすばやく配置を行う新しいファームのオプションが提供されます。このパラメーターは "NewFarm" という名前ですが、SQL Server セットアップでは新しい SharePoint サーバーはインストールされません。SharePoint のインストール メディアが必要であり、コンピューターに SharePoint サーバーのプログラム ファイルを用意する前に、インストール メディアを手動で実行する必要があります。

コンピューターに SharePoint サーバーのプログラム ファイルを用意したら、SQL Server セットアップを実行して、PowerPivot サーバーの配置を完了します。ファームのデータベース サーバーとして使用するデータベース エンジン インスタンスのインストール、PowerPivot サーバー コンポーネントのインストール、SQL Server コンポーネントの構成、および PowerPivot の操作に適した機能や制限を使用した SharePoint サーバーの構成が、SQL Server セットアップによって行われます。

既存のファーム構成のオプションとは異なり、新しいファーム構成では、SharePoint 製品およびツールの構成プログラム (PSCONFIG.EXE) の初期化に使用される追加の値を指定する必要があります。新しいファーム構成のオプションを指定すると、SQL Server セットアップによってこのプログラムがバックグラウンドで実行されます。ファームでスタンドアロン サーバーまたは最初のサーバーを構成するために PSCONFIG.EXE で必要なすべての設定は、/FarmAccount、/FarmPassword、/Passphrase、および /FarmAdminPort です。

このオプションの対象は、確立済みのファームに PowerPivot を追加する必要があるユーザーでも、Web アプリケーション、サイト コレクション、およびサービスを個人で構成する必要があるユーザーでもありません。このオプションは、オンラインで PowerPivot サーバーをすばやく簡単に用意する単純な方法をユーザーに提供することを目的としています。新しいファーム構成の詳細については、「新しい SharePoint サーバーへの PowerPivot for SharePoint のインストール」を参照してください。

'PowerPivot' インスタンス名

インスタンス対応の他の SQL Server サービスとは異なり、SharePoint 統合モードの Analysis Services は複数インスタンスのサーバーではありません。特定のコンピューターで使用できる PowerPivot for SharePoint インスタンスは常に 1 つだけです。

SharePoint 統合モードで配置する Analysis Services のすべてのインスタンスは、'PowerPivot' をインスタンス名として使用して、名前付きインスタンスとしてインストールされます。この名前はハードコードされています。別のインスタンス名は使用できません。'PowerPivot' をインスタンス名として使用する SQL Server インスタンス (コンポーネントは問わない) が既にある場合、PowerPivot のインストールがブロックされます。

このインスタンス名はハードコードされているので、コマンド ラインで指定しなくてもかまいません。コマンドで /InstanceName='PowerPivot' を省略した場合、正しいインスタンス名が自動的に使用されます。/InstanceName を指定し、別の値を設定した場合は、エラーが発生します。

PowerPivot のインストールにおけるアカウント

PowerPivot のコマンド ラインからのインストールには、SQL Server サービス、SharePoint サービス、サーバー管理者、およびデータベース アクセスの各アカウントが必要です。

データベース サーバーが既に定義されている既存のファームに PowerPivot を追加する場合、SQL Server データベース エンジン、エージェント サービス、またはブローカーのアカウントを指定する必要はありません。

すべてのアカウントはドメイン ユーザー アカウントである必要があります。あらかじめ登録されたコンピューター アカウントは使用しないでください。

アカウントの詳細については、「SharePoint ファームへの PowerPivot の配置の計画」および「サービス アカウントとパスワードの変更 (PowerPivot for SharePoint)」を参照してください。