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リソース ガバナの概要

SQL Server 2008 に新しく取り入れられたソース ガバナは、受け取った要求に応じてリソース消費を制限することにより、SQL Server のワークロードとリソースを管理するテクノロジです。リソース ガバナでは、同程度のサイズの複数のクエリや要求を 1 つのエンティティとして扱う場合、それらをワークロードと呼んでいます。これは必須ではありませんが、ワークロードのリソースの使用パターンが統一化されていると、リソース ガバナから得られる利点も増えます。リソース制限は、実行中のワークロードへの影響を最小限に抑えながらリアルタイムで再構成できます。

複数の個別のワークロードが同一サーバー上に存在する環境でリソース ガバナを使用すると、指定された制限に基づいてこれらのワークロードを区別し、要求された共有リソースを割り当てることができます。これらのリソースは CPU およびメモリです。

リソース ガバナは、SQL Server の Enterprise Edition、Developer Edition、および Evaluation Edition でのみ使用できます。

リソースの問題の種類

リソース ガバナは、データベース環境に一般的に見られる次の種類のリソース問題に対処するように設計されています。

  • サーバー上のクエリが長時間応答しない。この場合、ほとんどのサーバー リソースをそのクエリが消費する可能性があります。

  • ワークロードが予期したとおりに実行されない。この場合、同じサーバー上の同時実行アプリケーションにサイズと種類の異なるワークロードがあります。たとえば、2 つのデータ ウェアハウス アプリケーションや、OLTP アプリケーションとデータ ウェアハウス アプリケーションの組み合わせなどです。これらのアプリケーションは互いに分離していないため、結果としてリソース競合が起こり、予期しないワークロード動作が発生します。

  • ワークロードの優先度を設定する。このシナリオでは、特定のワークロードを別のワークロードよりも速く処理することが許可されているか、リソース競合が発生した場合にも完了することが保証されています。リソース ガバナを使用すると、ワークロードに相対的な重要度を割り当てることができます。

前述の全シナリオでは、なんらかの方法でワークロードを区別する必要があります。リソース ガバナには次の機能があります。

  • 着信接続を分類し、ワークロードを特定のグループにルーティングする機能。

  • グループ内の各ワークロードのリソース使用状況を監視する機能。

  • リソースをプールし、CPU 使用率とメモリ割り当てにプール独自の制限を設定する機能。これによって、クエリが長時間応答しなくなることを防いだり、その可能性を最小限に抑えたりすることができます。

  • グループ化されたワークロードに特定のリソース プールを関連付ける機能。

  • ワークロードを識別し、優先順位を設定する機能。

リソース ガバナの制約

このリリースのリソース ガバナには次の制約があります。

  • リソース管理は SQL Server データベース エンジンに制限されています。Analysis Services、Integration Services、および Reporting Services ではリソース ガバナを使用できません。

  • SQL Server のインスタンス間のワークロードの監視機能、または管理機能はありません。

  • SQL Server の CPU 帯域幅、およびメモリ管理には制限仕様が適用されます。

  • OLTP ワークロード。リソース ガバナで OLTP ワークロードを管理することは可能ですが、このような種類のクエリは通常短時間で、CPU 上の滞留期間が短いために帯域幅制御を適用できない場合があります。この結果、CPU 使用率 % として返される統計が偏る可能性があります。