Share via


ASP.NET を使用した XML Web サービスの作成

ASP.NET を使用したシンプルな XML Web サービスの作成は比較的簡単で、その手順は「ASP.NET を使用した XML Web サービスの作成の概要」で説明します。ただし、XML Web サービスの機能を理解するには、そのインフラストラクチャに注目する必要があります。XML Web サービスは、.NET Framework と共通言語ランタイムに基づいて作成されます。したがって、XML Web サービスでは、これらの技術を活用できます。たとえば、ASP.NET を使用して XML Web サービスを作成することによって、ASP.NET によってサポートされるパフォーマンス、状態管理、および認証をすべて活用できます。

XML Web サービスのインフラストラクチャは、SOAP、XML、WSDL などの業界標準に準拠するように作成されているため、他のプラットフォーム上のクライアントは XML Web サービスと相互運用できます。クライアントが業界標準に準拠する SOAP メッセージを送信し、そのメッセージがサービスの説明に従って書式指定されている限り、クライアントはプラットフォームに関係なく、ASP.NET を使用して作成された XML Web サービスを呼び出すことができます。要求される SOAP の形式を変更するために ASP.NET が提供する属性ベースの機構のしくみについては、「SOAP メッセージのカスタマイズ」を参照してください。

ASP.NET を使用して XML Web サービスを作成すると、SOAP、HTTP-GET、HTTP-POST の各プロトコルを使用したクライアントとの通信が自動的にサポートされます。HTTP-GET および HTTP-POST では、メッセージを URL エンコードされた名前と値の組み合わせで渡すことができるため、これら 2 つのプロトコルに対してサポートされるデータ型は、SOAP に対してサポートされるデータ型より少なくなります。SOAP では、XML Web サービスとの間で XML を使用してデータを送受信するため、XSD スキーマを使用して複合データ型を定義できます。したがって、SOAP では、より豊富なデータ型のセットがサポートされます。ASP.NET を使用して XML Web サービスを作成する開発者は、必要な複合データ型を XSD スキーマを使用して明示的に定義する必要はありません。マネージ クラスを作成するだけで十分です。ASP.NET が XSD スキーマへのクラス定義の割り当てと、XML データへのオブジェクト インスタンスの割り当てを処理し、それらのデータをネットワーク経由で送受信できるようにします。

重要な点は、XML Web サービスは DCOM の代替ではなく、業界標準を使用するプラットフォーム間で通信するためのメッセージ インフラストラクチャであることを認識しておくことです。

このセクションの内容