次の方法で共有


Visual Studio 変換ウィザード

更新 : 2007 年 11 月

このウィザードを使用すると、ソリューションまたはプロジェクトを、このバージョンの Visual Studio で使用されているプロジェクト ファイル形式に変換できます。ウィザードで、変換する前にバックアップ コピーを作成できます。変換後のソリューションまたはプロジェクトは、現在のソリューションまたはプロジェクトと同じ場所に作成されます。ソリューション内のすべてのプロジェクトが変換されます。

ウィザードにアクセスするには、[ファイル] メニューの [開く] をポイントし、[プロジェクト/ソリューション]、[Web サイト]、または [ファイル] をクリックします。[開く] ダイアログ ボックスで、.vcproj、.csproj、.vbproj、.sln のいずれかのファイルの種類を選択します。

ソリューションまたはプロジェクトの変換

Visual Studio 2008 より前の Visual Studio バージョンの形式のソリューションまたはプロジェクトは、このバージョンで作業する前にこのバージョンの Visual Studio に変換する必要があります。変換後のソリューションまたはプロジェクトは、Visual Studio 2008 より前の Visual Studio バージョンとの互換性を失います。

ソリューションを変換すると、そのソリューション内のすべてのプロジェクトが変換されます。いずれかのプロジェクトが変換されない場合、そのプロジェクトはアンロードされ、ソリューション エクスプローラで利用不可のマークが付けられます。このような場合は、(利用不可) とマークされたプロジェクトの再読み込み時に、アップグレード レポートに表示された問題を解決します。プロジェクトを再読み込みしようとすると、変換ウィザードが再び起動します。発生する可能性のあるエラーについては、後述の「アップグレード レポート」を参照してください。

.NET Framework 3.5 の機能を有効にするためのプロジェクトのアップグレード

Visual Studio 2008 プロジェクトでは、2.0、3.0、または 3.5 の特定のバージョンの .NET Framework を対象とします。この機能は以前のバージョンの Visual Studio では使用できなかったため、変換されたプロジェクトは自動的に .NET Framework 2.0 を対象とします。ただし、プロジェクトをアップグレードして現在の .NET Framework バージョンを対象とし、新機能にアクセスすることができます。詳細については、「特定の .NET Framework を対象にする」を参照してください。

ソース管理対象のソリューションまたはプロジェクトの変換

ソース管理対象のソリューションまたはプロジェクトを変換すると、変換中に自動的にチェックアウトされます。ファイルが別のユーザーによって排他的にチェックアウトされていないことを確認してください。排他的にチェックアウトされているファイルがプロジェクトに含まれていると、変換は実行されません。

ソリューションまたはプロジェクトのバッチ変換

多数のソリューションまたはプロジェクトの変換を自動化するには、コマンド ライン アップグレード ツールを使用するバッチ ファイルを作成します。詳細については、「/Upgrade (devenv.exe)」を参照してください。アップグレード レポートには、ファイルがチェックアウトされているために変換されなかったソース管理対象のソリューションまたはプロジェクトに関する情報が表示されます。こうしたファイルのチェックイン後、バッチ ファイルを再実行すると、そのソリューションまたはプロジェクトを変換できます。

Web プロジェクト

Visual Web Developer での Web サイト (プロジェクト) およびファイルの管理方法は、Visual Studio 2008 より前の Visual Studio バージョンとは異なります。Web プロジェクトの変換の詳細については、「Visual Studio .NET からの Web プロジェクト変換」を参照してください。

Visual Studio .NET 2008 以前のバージョンから Visual Studio 2005 への変換

Visual Basic 6.0 のプロジェクトは、このバージョンの Visual Studio で使用されるプロジェクト ファイル形式に直接変換できます。詳細については、「Visual Basic アプリケーションのアップグレード」を参照してください。

変換ウィザードを使用することにより、Visual C++ 6.0、5.0、および 4.0 のプロジェクトは、このバージョンの Visual Studio で使用されるプロジェクト ファイル形式に直接変換できます。変換されたプロジェクトの操作方法の詳細については、「方法 : ウィザードで生成された C++ コードのマネージ拡張をアップグレードする」を参照してください。

[ようこそ] ページ

このページは、Visual Studio 変換ウィザードの最初の画面です。

[バックアップ作成の選択] ページ

このページでは、ソリューションまたはプロジェクトのコピーを現在の形式で作成してから、ソリューションまたはプロジェクトを変換するかどうかを指定します。ソリューションまたはプロジェクトがソース管理対象でない場合や、ソリューションまたはプロジェクトを以前のバージョンの Visual Studio で開く場合は、バックアップを作成することをお勧めします。

ソリューションやプロジェクトによっては、バックアップの場所を指定できるものと、バックアップ ファイルが変換対象のファイルと同じ場所に作成されるものがあります。詳細については、次の表を参照してください。

プロジェクトの種類

バックアップ オプション

Visual Basic

Visual Basic プロジェクトのバックアップの場所や、Visual Basic プロジェクトと共に Visual C# プロジェクトまたは Web プロジェクトの任意の組み合わせを含むソリューションのバックアップの場所を指定できます。

Visual C++ プロジェクトと Visual Basic プロジェクトの両方を含むソリューションのバックアップ ファイルは、変換されるファイルと同じフォルダに作成されます。

Visual Basic プロジェクトを含むソリューションや、Web プロジェクトと Visual C++ プロジェクトの両方を含むソリューションでは、Web プロジェクトのみをバックアップできます。

Visual C#

Visual C# プロジェクトのバックアップの場所や、Visual C# プロジェクトと共に Visual Basic プロジェクトまたは Web プロジェクトの任意の組み合わせを含むソリューションのバックアップの場所を指定できます。

Visual C++ プロジェクトと Visual C# プロジェクトの両方を含むソリューションのバックアップ ファイルは、変換されるファイルと同じフォルダに作成されます。

Visual C# プロジェクトを含むソリューションや、Web プロジェクトと Visual C++ プロジェクトの両方を含むソリューションでは、Web プロジェクトのみをバックアップできます。

Web

Web プロジェクトのバックアップの場所や、Web プロジェクトと共に Visual Basic プロジェクトまたは Visual C# プロジェクトの任意の組み合わせを含むソリューションのバックアップの場所を指定できます。

Web プロジェクトと Visual C++ プロジェクトの両方を含むソリューションや、Web プロジェクト、Visual C++ プロジェクトと共に Visual Basic プロジェクトまたは Visual C# プロジェクトの任意の組み合わせを含むソリューションでは、Web プロジェクトのみをバックアップできます。バックアップの場所を指定できます。

Visual C++

バックアップ ファイルは、Visual C++ プロジェクトの変換対象のファイルや、Visual C++ プロジェクトと共に Visual Basic プロジェクトまたは Visual C# プロジェクトの任意の組み合わせを含むソリューションの変換対象のファイルと同じフォルダに作成されます。

Web プロジェクトと Visual C++ プロジェクトの両方を含むソリューション、または Web プロジェクト、Visual C++ プロジェクトと共に Visual Basic プロジェクトまたは Visual C# プロジェクトの任意の組み合わせを含むソリューションでは、Web プロジェクトのみをバックアップできます。

[変換する前にバックアップを作成しますか?]

  • [なし]
    バックアップを作成しないことを指定します。Visual Studio .NET 2002、Visual Studio .NET 2003 または Visual Studio 2008 で、再びそのソリューションまたはプロジェクトを使って作業することはできなくなります。

  • [変換前にバックアップを作成する]
    バックアップを作成することを指定します。Visual Basic、Visual C#、および Web のいずれかのプロジェクトの種類を変換する場合や、これらの種類のプロジェクトの任意の組み合わせを含むソリューションを変換する場合は、[バックアップの場所] を指定します。

  • [すべての Web プロジェクトのバックアップを作成する]
    バックアップを作成することを指定します。Web プロジェクトと Visual C++ プロジェクトの両方を含むソリューションや、Web プロジェクト、Visual C++ プロジェクトと共に Visual Basic プロジェクトと Visual C# プロジェクトの任意の組み合わせを含むソリューションを変換する場合は、Web プロジェクトの [バックアップの場所] を指定します。

  • [バックアップの場所]
    バックアップ ファイルの場所を指定します。場所には、コンピュータ上のフォルダまたは UNC パスを指定できますが、URL は指定できません。

  • [参照]
    [バックアップ フォルダの選択] ダイアログ ボックスを表示します。このダイアログ ボックスでは、バックアップ ファイルの配置先とするフォルダに移動できます。

[アップグレード可能] ページ

このページでは、選択した変換オプションの概要を確認してから、変換を開始できます。

ソリューションおよびすべてのプロジェクトが表示されていることを確認します。バックアップの場所を指定した場合は、その場所が正しいことを確認してください。変換後のすべてのソリューションおよびプロジェクトは、現在のソリューションまたはプロジェクトと同じ場所に作成されます (埋め込み先変換)。

変換情報を変更するには、[戻る ] をクリックして [バックアップ作成の選択] ページに戻ります。

[変換の完了] ページ

このページには、変換が正常に完了したかどうかが表示されます。いずれかのプロジェクトが変換されない場合、そのプロジェクトはアンロードされ、ソリューション エクスプローラで (利用不可) のマークが付けられます。各ファイルのステータスについては、リンクをクリックしてアップグレード レポートを表示してください。

アップグレード レポート

アップグレード レポートには、変換後のソリューションまたはプロジェクトに含まれる各ファイルのステータスに関する情報が表示されます。アップグレード レポートは、ソリューションまたはプロジェクトのルート ディレクトリに存在します。

いずれかのプロジェクトを変換できない場合、そのプロジェクトはアンロードされ、ソリューション エクスプローラで (利用不可) のマークが付けられます。このような場合は、アップグレード レポートに表示された問題を解決してから、プロジェクトの再読み込みを試します。プロジェクトを再読み込みしようとすると、変換ウィザードが再び起動します。発生する可能性のあるエラーは、次のとおりです。

  • バックアップ ファイルの作成中にエラーが発生しました
    ソリューション ファイルのバックアップ コピーを作成できません。同じ名前のファイルが既に存在しないかどうか確認してください。

  • プロジェクト ファイルのバックアップを作成中にエラーが発生しました。
    プロジェクト ファイルのバックアップ コピーを作成できません。同じ名前のファイルが既に存在しないかどうか確認してください。

  • ファイルに書き込めません
    ファイルが読み取り専用か、ファイルが読み取り専用のネットワーク シェアに存在します。別のユーザーによって排他的にチェックアウトされているソース管理対象ファイルは、読み取り専用です。

  • 内部一般エラー
    Visual Studio でエラーが発生しました。Visual Studio を修復するには、[プログラムの追加と削除] ダイアログ ボックスで、インストールされている製品を選択し、[変更と削除] をクリックします。

  • 更新を実行するためにプロジェクト ファイルを開けません。
    プロジェクト ファイルを開けません。プロジェクト ファイルが既に開かれていて、別のアプリケーションによってロックされていないかどうか確認してください。

  • プロジェクト ファイルを解析できません
    プロジェクト ファイルが破損しているか、アップグレードできないバージョンです。

  • アップグレードされたプロジェクト ファイルを保存できません。
    内部エラーが発生した可能性があります。

  • Web プロジェクト コンポーネントがインストールされていません。プロジェクトをアップグレードできません
    プロジェクトが Web プロジェクトです。Web プロジェクトの変換に使用できる Express エディションは Visual Web Developer Express エディションだけです。

参照

処理手順

方法 : Visual Studio .NET 2002 または 2003 で作成されたプロジェクトをアップグレードする

チュートリアル : Visual Studio 2005 Web アプリケーション プロジェクトから Visual Studio 2008 Web アプリケーション プロジェクトへの変換

チュートリアル : Visual Studio 2005 Web サイト プロジェクトから Visual Studio 2008 Web サイト プロジェクトへの変換

チュートリアル : Visual Studio .NET 2003 Web プロジェクトの Visual Studio Web アプリケーション プロジェクトへの変換

チュートリアル : Visual Studio 2005 Web サイト プロジェクトから Visual Studio 2008 Web アプリケーション プロジェクトへの変換

その他の技術情報

ソリューション、プロジェクト、およびファイルに関するユーザー インターフェイス要素