チュートリアル : デバイス対応の Windows フォームアプリケーションの作成

[アーティクル]
09/17/2008

更新 : 2007 年 11 月

このチュートリアルでは、Visual Basic または Visual C# を使用して単純な Windows フォームアプリケーションをビルドし、Pocket PC エミュレータでそのアプリケーションを実行します。このチュートリアルでは、デスクトップのプログラミングと、デバイスのプログラミング、つまりデバイスを対象にする場合のプログラミングでの主な違いを示します。このチュートリアルでは、デバイスとは Pocket PC 2003 の組み込みエミュレータです。

メモ :
お使いのマシンで、Visual Studio ユーザーインターフェイスの一部の要素の名前や場所が、次の手順とは異なる場合があります。これらの要素は、使用している Visual Studio のエディションや独自の設定によって決まります。詳細については、「Visual Studio の設定」を参照してください。

このチュートリアルは、[Visual Basic 開発設定] と [Visual C# 開発設定] を使用して記述されています。

このチュートリアルは、主に次の 5 つの手順で構成されています。

Windows フォームを使用するデバイスプロジェクトの作成。
フォームへのコントロールの追加。
コントロールへのイベント処理の追加。
プロジェクトを実行するデバイスの選択。
アプリケーションのビルドとデバイスへの配置。

対象デバイスの選択

ソリューションを配置するときにデバイス選択のダイアログが表示されるようにするには、次の手順を実行します。

配置時にデバイス選択のダイアログを表示するには

[ツール] メニューの [オプション] をクリックし、[デバイスツール] を展開します。次に、[全般] をクリックします。

[デバイスツール] が表示されない場合は、[オプション] ダイアログボックスの下部にある [すべての設定を表示] を選択します。
[デバイスプロジェクトの配置前に選択できるデバイスを表示] チェックボックスをオンにします。

アプリケーションの作成

Windows フォームプロジェクトの作成と、コントロールとイベント処理の追加は、デスクトッププロジェクトでもデバイスプロジェクトでも同じプロセスです。大きな違いは、.NET Compact Framework では使用できるクラスが少ないことです。

Windows フォームを使用するデバイスプロジェクトを作成するには

(Visual Basic) Visual Studio の [ファイル] メニューの [新しいプロジェクト] をクリックします。

または

(Visual C#) Visual Studio で、[ファイル] メニューの [新規作成] をポイントし、[プロジェクト] をクリックします。
[プロジェクトの種類] ペインの [Visual Basic] または [Visual C#] を展開し、[スマートデバイス] をクリックします。

目的の言語が最初に表示されない場合は、[他の言語] を展開します。この表示は、ユーザーの開発設定で管理されます。
[テンプレート] ペインの [スマートデバイスプロジェクト] をクリックします。
(Visual C# のみ) [場所] ボックスで、プロジェクトファイルを格納する場所を確認します。
[プロジェクト名] ボックスに「DeviceSample」と入力し、[OK] をクリックします。
[新しいスマートデバイスプロジェクトの追加] ダイアログボックスで、[ターゲットプラットフォーム] ボックスの一覧の [Pocket PC 2003] をクリックし、[.NET Compact Framework のバージョン] ボックスの一覧の [.NET Compact Framework Version 2.0] をクリックします。さらに、[テンプレート] ペインの [デバイスアプリケーション] をクリックし、[OK] をクリックします。

Windows フォームデザイナに Pocket PC デバイスが表示されます。

コントロールをフォームに追加するには

ツールボックスから、フォームに Button コントロールをドラッグします。

統合開発環境 (IDE: Integrated Development Environment) にツールボックスが表示されていない場合は、[表示] メニューの [ツールボックス] をクリックします。

ツールボックスに [デバイスコントロール] タブが表示されていない場合は、ツールボックスを右クリックし、[すべて表示] をクリックします。
Button コントロールを右クリックし、[プロパティ] をクリックします。
[プロパティ] ウィンドウに「Say Hello」と入力し、Enter キーを押して [Text] プロパティを設定します。

Button コントロールのイベント処理を追加するには

フォーム上のボタンをダブルクリックします。

コードエディタが開き、イベントハンドラにカーソルが表示されます。
次の Visual Basic コードを入力します。
```
MessageBox.Show("Hello, World!")
```
または

次の C# コードを入力します。
```
MessageBox.Show("Hello, World!");
```

アプリケーションのビルドとデバッグ

ここでは、デスクトッププロジェクトとの違いがあります。デバイスプロジェクトでは、通常はプロジェクトを実行する対象を複数から選択できます。このチュートリアルでは、Pocket PC エミュレータを選択します。サポートされている物理デバイスが開発用コンピュータと既に連携している場合は、物理デバイスを選択することもできます。

アプリケーションをビルドしてテストするには

[デバッグ] メニューの [開始] または [デバッグ開始] をクリックします。
[配置] ダイアログボックスで、[Pocket PC 2003 SE エミュレータ] を選択し、[配置] をクリックします。

ステータスバーに進行状況が表示されます。既定では、.NET Compact Framework がデバイス上に既に存在しなければ、デバイス上に配置されます。
アプリケーションをエミュレータで実行しているときに、ボタンをタップして、"Hello, World!" と表示されることを確認します。

参照

[全般] ([オプション] ダイアログボックス - [デバイスツール])

Visual Basic と Visual C# (スマートデバイスでの操作方法)

ツールボックス

チュートリアル : デバイス対応の Windows フォーム アプリケーションの作成